経済産業省/厚生労働省/文部科学省
我が国製造業の付加価値生産額が名目GDPに占める割合は、内閣府「国民経済計算」によると、2005年では21.0%であり、長期的には緩やかな低下傾向にある。長期的に低下傾向にあるのは、他の先進国と同様、第三次産業化が進展しており、サービス業の割合が増加していることによる。
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念のため、別の資料(平成18年度国土交通白書)を見てみると、2004年(平成16年)の国内総生産に占める第二次産業の割合は、25.7%、第三次産業の割合は73.1%となっています。
いずれにせよ、「日本のGDPに占めるサービス産業の割合は、7割を超える」と言われる所以です。
それでは、そのサービス産業の内訳を見てみましょう。
(資料「サービス産業の現状と課題」平成16年6月 経済産業省 商務情報政策局 サービス政策課)
●広義のサービス業(=第三次産業)
*電気・ガス・熱供給・水道業
*情報通信業I運輸業
*卸売・小売業
*金融・保険業L不動産業
*飲食店、宿泊業
*医療、福祉
*教育、学習支援業
*複合サービス事業
*サービス業(他に分類されないもの)
*公務(他に分類されないもの)
*分類不能の産業
●狭義のサービス業=上記の「サービス業(他に分類されないもの)」
*専門サービス業
法律、会計、獣医、土木建築サービス業、デザイン業等
*洗濯・理容・美容・浴場業
*その他の生活関連サービス業
旅行業、家事サービス業、冠婚葬祭業等
*娯楽業
映画館、興行場、スポーツ施設提供業等
*自動車整備業
*機械等修理業
*物品賃貸業
*広告業
*その他の事業サービス業
ビルメンテナンス業、警備業、労働派遣業等
経済産業省では、わが国経済におけるサービス産業の重要性を認識し、「新産業創造戦略における重点サービス分野」を下記5分野に大別しています。
1. コンテンツ
2. 健康・福祉・機器・サービス
3. ビジネス支援サービス
4. 観光・集客交流サービス
5. 環境・エネルギー・機器・サービス
さらに各項目を細分類しているのですが、残念ながら「翻訳業」は見当たりません。翻訳に関する正確な市場規模も把握できない状態ですから、当然と言えば当然ですが、理由は下記3点が考えられます。
1. 翻訳市場が細かく散らばりすぎていて、莫大な費用のかかる正式調査に乗り出すのは難しい。
2. 翻訳および翻訳関連業務の明確な定義がなく、作業の線引きが非常に難しい。その捕らえ方によって数字は極端に変わってくる。
3. 複雑な下請け構造を持つ翻訳業界から、重複する売上を除いて、純粋な市場規模を算出する作業は、一筋縄にはいかない。