2007.6.27 NIKKEI NET
東芝が米電力大手NRGエナジーから原子力発電所を受注することが内定した。同原発は日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合が優勢だったが、日本での安定した実績などを訴えた東芝が逆転した。
・・・・(記事の転載ここまで)
今年の3月20日に、このブログの中で書いた、「巨大な原発プラントを建設できるメーカーは世界に、日立、東芝、三菱重工という日本の3社くらいしか存在しない」という業界関係者の話を裏づける結果が続々と出始めています。
1979年のアメリカ、スリーマイル島の原発事故と1986年のウクライナ、チェルノブイリの原発事故以降、世界中で原発に対する猛烈な反対運動が起こりました。それ以後、日本とフランスを除けば、新規の原発建設は先進国では、ほとんど行われていません。
「これからの世の中は原子力の時代」と聞いて、一生懸命原子力分野の勉強をしてきた学生や研究者たちにとって、突如冬の時代が訪れたわけです。アメリカやヨーロッパでも原発関係の技術者の数はどんどん減っていき、相当数が他分野へ移行したと聞いています。
ところがまたまた時代が変わり、近頃の原油高にCO2排出規制の問題も加わり、原発が再び脚光を浴びています。
2003年の東京電力の試算によると、
1キロワット時の発電コストは、
石炭火力 7.2円
LNG火力 7.0円
石油火力 12.2円
水力 10.6円
原子力 7.3円
つまり、コスト的にみれば、原発は石炭やLNGと大差なく、石油や水力よりもずっと安い費用で発電できることがわかります。 また、
1キロワット発電時のCO2排出量は、
石炭火力 887グラム
石油火力 742グラム
LNG火力 478グラム
原子力 0グラム
この流れに乗って、近頃アメリカで30年ぶりに原発を新規建設することに決まりました。一説によると60兆円もの膨大な予算を原発建設に費やす計画だそうです。
これからは日本の原発関係、プラント輸出関係の会社は狙い目です。当然、それらに付随する翻訳関係の仕事も急増することでしょう。