GDP速報、年4.8%増 10~12月期

2007.2.15 Sankeiweb

内閣府が15日発表した平成18年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報は、物価変動を除く実質で前期(7~9月期)比1.2%増、年率換算で4.8%増と市場予測を上回る高い伸びとなった。プラス成長は8期連続。ただ、日銀の追加利上げ判断に影響するとして注目された個人消費は前期比1.1%増と増加に転じたものの、前期の落ち込みを取り戻したにとどまり、日銀の判断はますます難しくなっている。

物価の影響を含めた名目GDPは1.2%増(年率5.0%増)で、16年10~12月期以来8四半期ぶりに名目成長率が実質成長率を上回り「名実逆転」を解消した。

速報段階で年率0.8%増だった前期の実質成長率は0.3%増に改められた。

物価の総合的な動きを示すGDPデフレーターは前年同期比で0.5%減で、依然としてマイナスが続いているが、マイナス幅は前期の0.7%減より縮小した。

寄与度でみると、内需が1.0%、輸出から輸入を差し引いた海外需要が0.2%のプラスで、マイナス寄与は民間在庫のみだった。

・・・・(記事の転載ここまで)

本日の日経新聞、紙媒体の情報によると、「日本経済が輸出で稼ぐ傾向を強めている。2006年の日本の国内総生産(GDP)に占める輸出の比率は15%に近づき、過去最高となる見通し。

中国などの新しい市場が拡大していることや、コスト削減や円安などで企業の輸出競争力が高まったことが背景だ。

人口減時代に突入した日本の海外頼みは今後も強まる方向。世界経済の変動に揺れ動きやすい経済構造にもなる」とあります。

翻訳会社の社長としては、輸出が増えることは、実に嬉しいことですが、上記の産経新聞を含め、他のNET上の記事は、どこも「内需が1%プラス、外需が0.2%プラスなので、内需主導型の景気回復」としか書かれていません。

実は原油高により増えた輸入を上回る輸出があったのです。

一方「物価の総合的な動きを示すGDPデフレーターは前年同期比で0.5%減」ということで、物価が下がりながら、名目GDPも増えているので理想的な経済成長だとも言えます。

現在の日本人は、実はデフレ社会にどっぷりつかり、十分満足しているのです。小泉政権の支持率が高かったのも実はそこらへんにあると、私は考えています。

古いタイプの経済学者は、われわれが大学の授業で習ったように、「デフレ=不況=悪」と考えているので、なぜ民衆が小泉政権を支持したのかが理解できません。したがってデフレ社会は、まだ当分続く、と私は予想しています。