特許黒字、最高の5470億円・06年

2007.2.23 NIKKEI NET

海外から受け取った特許料収入から支払い分を差し引いた日本の特許収支が、2006年に初めて5000億円を超えた。海外生産の拡大で日本企業が海外子会社から受け取る特許料が増えた一方、特許戦略の強化で欧米企業に支払う特許料を抑制した。アジア企業からの収入も拡大している。特許収支は03年に黒字に転換して以降、着実に黒字幅を増やしており「知的財産」で稼ぐ体制が定着しつつある。

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1980年代初め、米国レーガン大統領が打ち出した「強いアメリカ」構想の中にこの知財戦略がありました。大国にもかかわらず、大統領の一声で迅速に行動を起こすアメリカは、思い切ってどんどん製造業を切り捨てて行き、知財とソフトウェア産業へ経済を集中させていきました。IBMスパイ事件で日本企業がつるし上げられ、やがてマイクロソフト、その他のソフトウェア企業が次々と台頭してきます。あとは皆さんご存知とおりです。日本の知財戦略は出遅れすぎている、と常々思っていたのですが、それでも着実に成果が出てきているということは、一日本人としても、翻訳会社の経営者としても、大変に喜ばしいことです。まあ、日本の製造業が持つ知的財産の価値から言えば、当然のことであり、もっともっと伸びていくと私は考えていますが。