ウィキペディア、信頼度は?利用者急増、誤った情報も

2007.09.04 asahi.com

だれでも編集できるネット上の無料百科事典「ウィキペディア」が、巨大化を続けている。利用者が急増する一方、誤った情報がそのまま記載されている場合も。常識破りの百科事典は、どこまで信用できるのか。

wiki

紙媒体の朝日新聞の中に同じ記事がより詳細に出ています。

その中に”Wikipedia”創始者、ジミー・ウェールズ氏のコメントがあるので、その一部を下記にご紹介しておきます。

<記事引用>
—-ウィキペディアは、どの程度正確なのでしょうか?
「参加者が増えるにつれ品質が上がってきている。英国の科学誌が2005年、ウィキペディアとブリタニカ百科事典の自然科学分野の項目を調べたら、前者は1項目につき平均4ヶ所の間違いがあり、後者は3ヶ所だった。安楽死など意見が分かれるテーマでも、最終的にはバランスのとれた記事になることが多い」

(中略)

—-誤った情報や中傷への対象はあるのでしょうか?
「ユーザーによる編集を制限・禁止する『保護』機能はすでにあるが、日本語版でも今後、一部の項目で、経験豊かな編集者が内容を認めてからでないと、表示できないようにする。これによってオープン性を保ちながら、質を向上させたい」
<引用終わり>

翻訳業に限らず、今や調べ物をする際に欠かすことのできない「情報源」ウィキペディアですが、当然のことながら、全ての情報が正確であるわけはありません。間違いも多いでしょう。

しかし、何を持って「正確」とするのか、何を持って「不正確」とするのか、それだけでも、なかなか線引きの難しいところです。

「太陽が地球の周りを回っていた時代」もあれば、新発見により「歴史の事実」が変わることもあります。学者によりそれぞれの「学説」が異なる場合もあれば、古代学者が土器を自分で埋めて、「歴史を捏造」する場合もあります。

従来の紙媒体(新聞・雑誌・本・辞書等)の情報は信憑性が高く、ネット情報は低い、と考えるのは危険です。

情報源の少ない時代には、選ばれた数少ない「エリート」からの「古い情報」に、ひたすら頼らざるを得ませんでした。

しかし、今は違います。多くの専門家が、様々な情報を、様々な角度から、ネット上に公開しているので、それらを丹念に調べることにより、以前よりもずっと高い確率でその信憑性を検証できるようになってきているからです。

あふれかえる情報洪水の中から、玉石混交を見分ける目を持てるよう、自らが能動的に動き、自らが「洞察力」を磨く努力をしなければ、個人の持つ「情報格差」は、今後ますます広がっていくでしょう。