2009.4.9 朝日新聞
輸出が同50.4%減の3兆3100億円、輸入が同44.9%減の3兆1079億円で、いずれも減少幅は比較可能な85年以降で最大。自動車や電子部品の減少が大きかった。金融危機が実体経済の直撃につながった昨年秋以降、輸出額も輸入額も前年同月を下回り続け、その幅は月を追って拡大している。
・・・・(記事の転載ここまで)
上記は朝日新聞紙媒体の記事の一部とグラフデータのスキャンですが、去年の9月の「リーマンショック」以降、見事に輸出入が激減しています。感覚や感情にとらわれることなく、また群集心理やマスコミの誘導にもとらわれることなく、冷静に事実を分析するために、統計の数字というものはとても大事な役割をはたします。
しかし今回に限って言えば、経済変動の幅があまりにも大きく、かつ急であったために、この統計を見た時私は「なにを今更、わかりきったことを」という感じを持ちました。
貿易の数字に限らず、雇用統計も個人消費も企業の決算予測も景況感も全ての統計結果が「言わずもがな」の最悪の数字を示しています。まさにどん底のお先真っ暗な日本経済です。
多くの経済専門機関は、世界全体あるいは日本全体の景気回復は、早くても2010年の後半からと発表しています。マクロ経済を考えたとき、きっとそれが正解に近いのでしょう。
しかし、暖かな春とともに桜が満開になったからというわけではないでしょうが、企業活動が少しずつ変化して来ているのを肌で感じます。
世の中全般の経済が大きく落ち込むときは、必ずと言ってよいほど、まだら模様でいち早く急回復をとげる企業が出始めます。今私はその動きを敏感に感じ始めています。
そもそも「技術翻訳」に限って言えば、基本的に儲かっている企業にしか、大きな需要はないと言って差し支えありません。
それらの企業群がこれから向こう10年間の日本経済を大きく前へ引っ張って行くはずです。しばらく錨を下ろして港に身を潜めていた船団が、外洋へ出帆する準備を始めています。どの船がいち早くメインセールにフォローの風を捕らえるのでしょうか?これからが楽しみです。
私の勘ですが、今年の秋ころから、わが翻訳業界はまだら模様で急回復していく気がしています。