2013年7月25日 COURRiER JAPON 世界が見たNIPPON フランス・レクスプレス誌より
いまや有名シェフやグルメ評論家だけでなく、政治家も一般人も、フランス中が日本酒に夢中になっている。なかには、ワイン代わりに日本酒を注文する人もいるほどだ。
(中 略)
一方、パリのカルチェ・ラタンで居酒屋「遊鈴」を経営するユーリン・リも「日本酒は、フランス人を虜にするほどの力を持つアルコール」と断言する。
「これまで日本酒の試飲会を何度も開催していますが、初心者の反応はだいたい決まっていますね。最初は『喉が焼けそうだ』という恐怖に駆られるのですが、一度それを超えると繊細な味に引き込まれていくようなのです」
(中 略)
そしてなによりも驚くべきは、食事をしながら飲むには、ワインよりも日本酒の方が合うのである。これは寿司に限った話ではない。ソムリエのオリヴィエ・プシエも「ワインが向かない食材でも、日本酒ならマッチすることがある」と指摘する。
たとえば、卵や根菜、アスパラガスといった食材だ。これらはワインのタンニンとは合わないが、日本酒とは素晴らしくマッチする。パリ屈指の高級ホテル「ジョルジュ・サンク」のシェフを務めるエリック・ブリファールは、12の銘柄の日本酒をそろえ、よく冷やしたものをクリスタルのグラスで客にサーブしている。きのこ類や海藻バター付きマテガイ、カシスとミラベルのデザートといった料理には、ワインではなく敢えて日本酒を客に勧めているという。
そして客の反応はというと、日本酒と知らずに飲んだ彼らの多くは「素晴らしい白ワインだ!」と、感嘆の声を上げるのだそうだ。
(以上で記事終り)
以下は参考資料
・・・・(以上で参考資料終わり)
世界各国で「日本食ブーム」がおきていることは事実のようですが、「日本酒」のほうもまた徐々に盛り上がりを見せ始めているようです。
その背景には、新鮮な日本酒を冷蔵保存しながら安価に輸送する技術が発達したことや「お酒」を冷蔵保存できる設備を整えた飲食店が海外にもでき始めたということもあるようです。
しかし、いずれにせよ日本の“食文化”のひとつである日本酒が海外で受け入れ始めているということは、一人の日本人としてとてもうれしいことです。
実際、私も蔵から飛行機で直送された高級日本酒のたるを割り、すぐに飲んだことがありますが、本当に高級な白ワインではないかと思える味でした。
ヨーロッパ旅行が好きな人たちに聞くと、日本人が認識している以上にヨーロッパ、とくにフランスなどでは日本のマンガ、アニメ、ゲームなどが深く浸透し、若者の間で大変な人気を呼んでいるそうです。
それと並んで寿司をはじめとする日本食ブームも大変なようです。
そのきっかけは80年代、90年代にヨーロッパで大騒ぎとなった、あの“狂牛病”にあるそうです。
牛肉好きの欧州人たちも一時期「牛」を食べることに恐れをなし、ヘルシーな魚を中心に食生活を変えていこうとしたら、日本食に行きついた、というわけです。
昔は海外の「寿司」は、ご飯の上にただ生の魚を乗せただけのかなりあやしげな「寿司」も多かったようですが、現在ではそれぞれの地域にローカライズされた、かなり美味しい寿司も出始めているようです。
ところで、日本に来たある英国人がクリスマスにケンタッキー・フライドチキンを買っていく、しかも行列しながら買っていく日本人を見て驚いていた話を思い出しました。
「なぜ、日本人はクリスマスというお祝いの日に安いチキン、しかもファーストフードのケンタッキーを買うの?」と聞かれました。
私も答に窮し「う~ん、ターキーと間違えて、代わりに安いチキンを食べているんじゃないのかな?」と適当に答えました。
すると彼は「それでは、ふつう日本人はお祝いの日には何を食べるの?」と聞いてきました。
少し考えたあと私は「寿司かなあ」と答えました。
すると、その英国人は再度「え~」と驚き、目を白黒させたのです。
「だって、寿司ってファーストフードでしょう?なんでお祝いの日にファーストフードを食べるの?」
この質問には、私も苦笑せざるをえませんでした。
「そーか、外国人にとって寿司とは、グルグル回っているものなんだ」と。
今や「回転寿司」は、日本の食文化として立派に世界に羽ばたいているようです。
寿司という食材や技法とともに、お皿を回転させる機械やシャリを握る機械なども、かなりの勢いで海外でも売れだしているそうです。
先日のテレビのニュースでは、ギョーザを皮に包む日本製の機械が海外で飛ぶように売れていると報道されていました。
ギョーザは中国で生まれたものですが、焼ギョウザは朝鮮半島を伝って来日し、日本で発達した日本の食文化と言ってもよいでしょう(現に横浜の中華街では昔、「ギョウザは朝鮮料理だから」と言ってメニューにありませんでした)。
いつの日か日本が「食文化輸出大国」になる日を願ってやみません。