住んで、働いて、考えた 私の「ニッポン論」

COURRiER JAPON の最新号、2014年2月号(2013年12月発売)の記事から。

クーリエジャポン 2014年2月号

“COURRiER JAPON”は「世界1500メディアから記事を厳選」して日本語に翻訳し、出版している月刊誌ですが、その記事の中のひとつに、日本に住む外国人の考える「私のニッポン論」というリレー連載のコーナーがあります。

今回はファブリツィオ・グラッセりさんというイタリア人の「私のニッポン論」が載っていますが、興味深いのでご紹介させていただきます。

まず、ファブリツィオ・グラッセりさんの略歴です。

「1955年、イタリア・クレモーナ生まれ。ミラノ工科大学卒業。20年余り前から日本在住。イタリアの最も権威と伝統のある文化団体「ダンテ・アリギエーリ協会」東京支部会長、イタリア語学校イル・チェントロ校長。著書に『イタリアワインマル秘ファイル』など。」

グラッセりさんは1990年代初頭、日本のバブル経済が崩壊した直後に初めて旅行で日本に訪れます。その時の3週間余りの旅行で京都や渋谷を見て、すっかり日本の虜になったそうです。

その後、ある日本の建設会社と建築家として1年間働く契約を結び、東京に住み始めます。するとますます日本のバイタリティと人々の感性や行動様式を愛するようになり、永住を決意し、それ以来20年間日本に住んでいるとのことです。

以下は、彼の言葉です。まずは日本への褒め言葉から。

「日本について私が称賛したいのは、人々のモラルの高さと正直さです。また、私のような外国人を含めた他人への親切さも素晴らしい。都市はダイナミックで、文化的で、洗練されています。特に東京は、世界の工業国で最も先進的な街で、豊かな都市文化を生み出していると思います。」

次に日本への提言です。

「早急に改善したほうがよいのは、日本の教育です。(中略)平均的に見ると、日本の大学生は他国と比べて本当に勉強しません。これでは、とても海外の優秀な若者と競争することはできません。こんな状態を放置していては、今後さらにグローバル化が進む時代、日本の国力が低下していくことにもなるでしょう。若者を取り巻く教育環境を大きく変えることが必要です。」

「日本の若者たちにも、もっと広く高く、世界へ意識を向けてほしいと思います。彼らと接していて驚くのは、他国の同世代と比べて、留学や海外生活への意欲が乏しいこと。」

「日本人には間違いなく、非常に高い能力とポテンシャルがあります。世界に飛び込んで積極的に戦えば、必ず成果を出すことができます。ぜひ、それを実行してほしいのです。」

このグラッセりさんの言葉で思い出したのが、下の写真です。

ハーバード図書館

これはアメリカ、ハーバード大学図書館での朝4時の光景だそうです。

日本の大学生は勝てるでしょうか?