オフィス需要活況続く 都心空室率、5月も低下

2014年6月13日 日本経済新聞

企業の事務所移転の増加などで、東京都心部のオフィスの不足感が一段と高まっている。仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が12日発表した東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の5月末の空室率は6.52%で前月比0.12ポイント低下した。景況感の改善を背景に、都内の大手企業の移転に加え地方企業が東京に進出する例も出てきた。

2014年6月13日 日経

(以上で記事終り)

東京都心部のオフィスビルの空室率が減っている、という現象から、あることを思い出しました。

かつて、ジェスコーポレーションでは、NTTタウンページに「翻訳業」を掲載している翻訳事業者(団体)がどのくらいあるのかを調査したことがあります。

日本の翻訳事業者数
2007年度 ⇒ 1,984社
2012年度 ⇒ 1,959社(▲1.3%)

このように日本には、約2,000の翻訳事業者があることがわかりました。

また、2007年度から2012年度の5年間に約3割の翻訳事業者が消え、新しい翻訳事業者が生まれていることも判明しました。

さて、下記は東京都内における翻訳事業者数の両年度の比較です。

2012年度 2007年度 増減 どちらの年度にも
存在している会社
2012年度数に
対する割合(%)
東京都 706 813 -107 569 81%

 

 

 

5年間で107の事業者が減少し、かつ2007年度と2012年度の両方に存在している事業者は全体の約8割ということもわかりました。

その理由を考えてみました。

  • 地方の翻訳会社が首都圏に支店を出していたが、不況により採算がとれなくなり撤退した。
  • リーマン・ショック後に金融翻訳の仕事が冷え込んだ。
  • インターネット環境の格段の進歩により、“東京都心に近い ” という地理的アドバンテージが失われた。

今回の新聞報道では、東京都内のオフィスビルの賃貸が再び活況を呈し始めている、ということですが、はたして翻訳業界はどうなのでしょうか?