ウクライナ語はロシア語、ベラルーシ語にきわめて近い東スラヴ語群の一員で、かつ歴史的、地理的関係から西スラヴ語群のポーランド語とも多くの語彙を共有しています。さて、そんなウクライナ語をGoogle翻訳するとどうなるでしょうか?
東スラヴ語群
<ウクライナ語 原文①>
Зробивши домашнє завдання, він пішов до друга.
(人間訳)
勉強を終えると彼は友人のところへ出かけた。
(Google訳 日本語)
宿題をやって、彼は友人に行ってきました。
(Google訳 英語)
Doing homework, he went to a friend.
<ウクライナ語 原文②>
Вона значно краще пише українською, ніж англійськю.
(人間訳)
彼女は英語よりもウクライナ語の方がはるかに上手に書けます。
(Google訳 日本語)
彼女は英語よりもはるかに優れウクライナを書き込みます。
(Google訳 英語)
She writes much better Ukrainian than English.
上記2つのウクライナ語の文章ともなんとか意味のわかる日本語になっています。英語に関して言えば日本語よりずっと良くできているのではないでしょうか。
次に西スラヴ語群に属する3つの言語、ポーランド語、チェコ語、スロバキア語を試してみます。この3言語はきわめて複雑怪奇な文法構造を持ち、ヨーロッパ言語の中で最も難解な言語と言われているそうです。そんなポーランド語、チェコ語、スロバキア語をGoogle翻訳するとどうなるでしょうか?
西スラヴ語群
<ポーランド語 原文①>
Chcialbym zarezerwować stolik dla sześciu osób na dzisiaj na dziewiętnastą.
(ちなみにChcialbym は、話者が男性の場合/話者が女性の場合は、Chcialabym を使います)
(人間訳)
今晩7時に6人で予約したいのですが。
(Google訳 日本語)
私は、19の上に、今日6人用のテーブルを予約したいと思います。
(Google訳 英語)
I would like to book a table for six people today for the nineteenth.
日本語も英語も時間を正確に表現できないところが残念ですが、それ以外は話者の意図が伝わる言葉になっているのではないでしょうか。
<ポーランド語 原文②>
Czy może mnie Pan poinformować o miejscach, które są warte zwiedzenia w tym mieście?
(ちなみに、Pan は、相手が男性の場合/相手が女性の場合は、Pani を使います)
(人間訳)
この街のみどころを教えてください。
(Google訳 日本語)
あなたはこの街に訪れる価値のある場所について教えてもらえますか?
(Google訳 英語)
Can you tell me about places that are worth visiting in this city?
日本語も英語も話者の意図は伝わっているのではないでしょうか。
<チェコ語 原文①>
Dobře. Dejte, prosím, celní prohlášení úředníkovi u východu.
(人間訳)
結構です。この申告書を出口の係官に渡してください。
(Google訳 日本語)
わかりました。出口から公式宣言を喜ば与えます。
(Google訳 英語)
Good. Please give the customs declaration to an official at the East.
<チェコ語 原文②>
Odneste mi, prosím, toto zavazadlo na stanoviště taxi (autobusovou zastávku).
(人間訳)
この荷物をタクシー乗り場(バス停)まで運んでください。
(Google訳 日本語)
タクシー(バス停)に、この荷物を行って下さい。
(Google訳 英語)
Please take this luggage to the taxi station (bus stop).
<チェコ語 原文③>
Chtěl bych poslat tento balík do Japonska.
(Chtěl は、話者が男性の場合/話者が女性の場合は、Chtěla)
(人間訳)
この小包を日本へ送りたいのですが。
(Google訳 日本語)
私は日本にこのパッケージを送信したいと思います。
(Google訳 英語)
I would like to send this package to Japan.
チェコ語⇒日本語に関して言えば、①は×、②は△、③は〇といったところでしょうか。
チェコ語⇒英語に関して言えば、①は×、②は△に近い〇で、③は〇といったところでしょうか。
<スロバキア語 原文①>
Dobrý deň. Prepáčte, prosím, hľadám hlavnú stanicu.
(人間訳)
こんにちは。すみません、中央駅を探しているのですが。
(Google訳 日本語)
今日は。すみません、私は中央駅を探していますしてください。
(Google訳 英語)
Good day. Sorry, I’m looking for the main station.
<スロバキア語 原文②>
Hlavnú stanicu? Hlavná stanica je veľmi ďaleko. Nemáte auto?
(人間訳)
中央駅ですか?中央駅はだいぶ遠いですよ。車はないのですか?
(Google訳 日本語)
中央駅?主要駅は遠いです。あなたは車を持っていないのですか?
(Google訳 英語)
Main station? The main station is very far away. Do not have a car?
<スロバキア語 原文③>
Mám. Vidíte ten posledný dom? Tam mám voz.
(人間訳)
あります。あそこの隅の家が見えますか?あそこにあるのが車です。
(Google訳 日本語)
私が持っています。あなたはその最後の家を参照してください?そこで私の車。
(Google訳 英語)
I have. Do you see the last house? I have a car there.
スロバキア語⇒日本語に関し言えば、①は△、②は△に近い〇、③は×といったところでしょうか。
スロバキア語⇒英語に関して言えば、①はなんとか意図は伝わるかもしれないという意味で、△でしょうか。②もおかしな英語ですが、かろうじて意図は伝わるかもしれないという意味で、×に近い△でしょうか。③は意図が伝わるという意味で〇でしょうか。
(この項続く)