2010年4月23日 日本経済新聞の朝刊より
「家電や自動車に使う電子部品の増産投資が再び拡大する。日本電産など大手5社の2011年3月期の設備投資額が合計で約2600億円と前期比で5割増えるほか、東芝は約100億円を投じハードディスク駆動装置(HDD)を3割増産。新興国で急拡大するパソコンや携帯電話端末の需要に対応する。国内工場での増産は半導体関連などにも広がりつつあり、外需が国内の設備投資を押し上げる構図が部品産業ではっきりしてきた」
(以上で記事終り)
日本の電子部品が増産体制を整え、輸出が活発になってきた、ということは確かに明るい兆しではありますが、よくよくグラフを見てみると出荷金額もピーク時の7~8割程度に戻ったに過ぎないということがわかります。
2010年4月23日 日本経済新聞の朝刊より
「日本の貿易でアジアの比重が一段と高まっている。財務省が22日発表した2009年度の貿易統計によると、全体の貿易額(輸出額と輸入額の単純合計)に占める対アジアの割合は前年度から4.7ポイント上昇し、50.2%となった。5割を超えるのは統計の比較が可能な1979年度以降で初めて。米欧の景気がもたつくなか、中国などアジア経済がいち早く持ち直したのが背景だ。アジアの経済動向は日本経済の先行きを大きく左右する存在になってきた」
「日本の輸出品の低付加価値化が進んでいる。財務省と日銀の統計を使って試算したところ、輸出品の平均単価はこの3年間で13%低下していることがわかった。2008年9月からの金融危機で輸出先のシフトに拍車がかかり、アジア向けの汎用品や中間財などの比重が高まったためだ。新興国市場の重要性が増す一方で、日本経済を引っ張る輸出の採算が悪化するとの見方も出ている」
(以上で記事終り)
「輸出は増えた、でも売上単価は下落している」、なぜなら「アジアを中心とする新興国向けの輸出が増えたから」ということです。今日本の製造業は採算があうようにどんどん現地生産の比率を高めています。
また昨今の「派遣切り」が世間から非難を浴びたため、さらに追い討ちをかけるように日本の製造業は工場を海外へ移転し、産業の空洞化をますます加速させています。
早く「士農工商」と言う4つの身分制度、つまり「正社員、パート社員、契約社員、派遣社員」という4つの身分制度を廃止し、「万人は皆平等である」、「努力した者、能力のある者が報われる」という精神のもと、人材の流動化を促す社会基盤を整備していかなければ、日本経済はこのまま衰退の一途をたどると大変に危惧しています。