2007.7.21 FujiSankei Business i.
中国国家品質監督検査検疫総局の李長江局長は20日、中国の輸出食品の安全性に関して記者会見し、日本、欧州連合(EU)向け食品の安全検査合格率が99・8%などと数字を挙げ、「中国製食品の合格率、品質は不断に高まっている」と強調した。
・・・・(記事の転載ここまで)
”ダンボール入り肉まん”が”ねつ造報道”だったかどうかはともかくとしても、あの事件がきっかけとなって、今輸入食品の安全性が問われています。
実は輸入食品だけでなく、日本の”食”そのものが”怪しい”と、もう数十年も前から、さまざまな消費者団体は訴え続けているのです。
既にあの「偽装肉加工販売のミートホープ社」が「24年前から不正な表示や販売をしていた」と認めていますが、それはほんの氷山の一角に過ぎないでしょう。不二家も雪印も加ト吉も・・・・。
しかし、国内業者の話はひとまずさておいて、ここでは今話題になっている「輸入食品」の問題を考えてみます。
1.日本の食糧自給率(農林水産省のホームページより)
●穀物自給率
1960年 82% → 2004年 28%
●カロリーベースの総合食料自給率
1960年 79% → 2004年 40%
●品目別自給率
・米 1960年 102% → 2004年 95%
・いも類 1960年 100% → 2004年 83%
・大豆 1960年 28% → 2004年 3%
・野菜 1960年 100% → 2004年 80%
・果実 1960年 100% → 2004年 39%
・肉類 1960年 93% → 2004年 55%
・鶏卵 1960年 101% → 2004年 95%
・魚介類 1960年 110% → 2004年 60%
2. 輸入食品は安全なの?(輸入食品を考えるより)
・ジャガイモの芽止め剤は1000倍に規制緩和された。不安の残る放射処理(コバルト60など)のものも出回り、後から調べようもない。
・アメリカでは牛肉へも放射線処理が許可。
・穀物などは防虫剤(レルダンなど)を直接ふり混ぜ、輸送され出荷され、そのまま加工食品(豆腐、納豆、味噌、醤油、パンなど)に使われてゆく。
・果物類はポストハーベスト(殺菌剤、防カビ剤)の王様! 真っ黄色でヘタだけは真っ青なレモンや、柑橘類にはOPP、TBZ、DP、イマザリル、2-4Dなどなど…
・ヘタを青く保つためだけに2-4D(枯葉剤)が使われている。
・リンゴ、ダークチェリーなども… 殺菌剤や防カビ剤のプールにつけられ、農薬のシャワーを浴び、しつこくポストハーベストされた上に、殺菌剤や防カビ剤入りのワックスをかけて、簡単には落ちないようにして出荷される…
・バナナも、ポストハーベストされ、輸送されてきたものをさらに青酸ガスで燻蒸し、倉庫で保存。追熟のためもう一度燻蒸して出荷される。
以上が「農林水産省」と「市民グループ」からの情報です。
肉類、酪農食品(牛乳、卵、乳製品等)は、想像より自給率が高いのですが、実は家畜に与える飼料のほとんどは輸入に頼っています。つまり輸入をストップされたら日本の酪農業の大部分は壊滅します。
以前私はいつも不思議に思っていたのですが、大豆の97%は輸入なのに、なぜかスーパーへ行くとほとんど全ての豆腐や納豆は「国産大豆使用」と表示されていました。
これも農林水産省が2006年6月27日に発表した「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」により、事態も少しずつ変化してきているようです。
しかし、朝日新聞の報道によると、日本の黒毛豚を外国で育て「国産黒毛豚」と表示したり、外国から輸入した豚を日本の養豚業者で数ヶ月間育て「国産黒毛豚」と表示している例があるそうです。
「国産」の定義をはっきりさせないと、日本の”種”の大豆を中国で栽培し、「国産大豆」と表示しかねません。
運悪く(われわれにとっては運良く)ミートホープや不二家や雪印が槍玉にあげられましたが、これが氷山の一角である以上、少なくとも日本国民は「食の安全に関する真実」を知る権利があるでしょう。
やはりここでもインターネットの情報が決定的に重要な役割を果たし、世の中を変えていくはずです。