2014年4月19日 日経新聞朝刊
中国、ハイブリッド車に補助 現地生産1台に25万円 大気汚染対策 トヨタやホンダ、攻勢へ
中国政府は大気汚染対策の柱として、ハイブリッド車(HV)の購入に補助金を出す検討に入った。電気自動車(EV)など充電可能な環境車に限ってきた補助の対象を、通常のHVにも広げる。2015年にも実施する。世界最大の市場を持つ中国が環境対応車の本命にHVを位置づけることで、日本勢を含む世界メーカーの戦略に影響を与えそうだ。
中国が補助金検討 日本勢、HV現地化
トヨタ、基幹部品を開発 ホンダ、16年から完成車
中国政府がハイブリッド車(HV)に購入補助金を出す検討に入った。割高な価格がHV販売のネックになっていた日本勢には追い風だ。トヨタ自動車は2015年をめどにHVの基幹部品、ホンダが16年からHV車両の現地生産を計画しており、現地シフトによるコスト削減に今回の補助金が加わる。世界最大市場で欧米勢とのエコカー販売競争が激しくなりそうだ。
(以上で日経新聞の記事終わり)
私が1999年に初めて北京へ行った時、空港から一歩外へ出たとたん、あまりの空気の汚さにビックリ仰天したことを思い出します。排気ガスを吹き出す出すダンプカーの真後ろに立っている感じでした。
最近は、さらにひどくなっているとのことなので、国民からの苦情に中国政府もさすがに重い腰を上げざるを得なかったのでしょう。
中国上層部の人たちも、自分たちだけのために、きれいな「空気」を確保することはできないとやっと気がついたのでしょうか。
ハイブリッド車の技術に関しては、トヨタとホンダが世界でも一歩抜きん出た存在であることはもはや周知の事実です。
今後、中国人が息をするために、否が応でも日本車を買わざるを得ない、というほどに日本車メーカーにはがんばってもらいたいものです。
自動車産業は非常に裾野の広い産業です。特に日本においては莫大な影響力を持つ存在だということが、リーマンショックの時に露呈しました。
中国市場において日本車勢がシェアを伸ばし、現地生産も増えてくれば、雇用も確保され、さらに裾野の広い産業にも多大なる好影響を与えることになるでしょう。結果として日中両国の経済関係が非常に深まっていくことは必定です。
緊密な経済関係は、政治や文化面においても、間違いなく良好な影響を与えていくはずです。
かつて坂本龍馬は、「思想で人は動かせても組織は動かせない。組織を動かすものは“利”だ」と言ったそうです。
“利”とはつまり、現代で言う“経済”のことです。
龍馬は、幕府の圧力により、外国から武器が買えずに困っていた長州のために、薩摩を通じて英国の武器を購入できるよう仲立ちをしたそうです。
それに対し龍馬は、見返りに長州から薩摩へ“米”を送らせたそうです。薩摩はあまり米が豊富にとれないため、普段から“芋”ばかりを食べていた薩摩人は「イモ侍」と揶揄されていたからです。
そうやって始まった薩長の“貿易”により、顔を見ただけで殺し合いをはじめるほど憎しみあっていたあの薩長が同盟を結ぶことになります。
今後、日本と中国が強固な経済関係を築くことにより、良好な友好国となる日が来ることを願ってやみません。