2007.6.22 ITmedia News
かつては「安さ」から中国委託を進めてきた情シス各社だが、今や「優秀さ」がその理由になってきている。
企業や官公庁の情報システム構築を手がける国内メーカーが、中国のIT(情報技術)企業への開発委託(オフショア開発)を活発化させている。中国では技術者育成をはじめとするIT産業の土台が急速に整いつつあるからだ。かつてのような安い人件費を当て込んだ委託は影をひそめ、国内情報大手は優秀な人材確保に走る。業界ではインドやベトナムへの注目も高まっているが、各社は安定した開発委託が期待できる中国への依存度を強めている。
・・・・(記事の転載ここまで)
「安いからではなく、優秀な人材が集まるから中国でオフショア開発をする」とは、やはり驚きです。つい最近まで人件費の安さばかりが注目されていたからです。
実際、毎年行なわれる国際数学オリンピック(昨年度は90カ国が参加)では、過去12年のうち9回、中国がチャンピオンに輝いています。中国に優秀なソフトウェアエンジニアが多い、というのもうなずけます。
また、オフショア開発で常に大きな障害となる”言葉の問題”に関しても「大学で日本語を学んだ人材の採用を進めた結果、ほとんどの中国人社員が日本語を話せるようになった」とあります。やはり外国語の習得に関しては、日本人よりも中国人の方が早いようです。
ただし、新たな問題も発生しているようです。
「ネックは人件費の高騰だ。かつては日本の3分の1程度とされたが、中国での開発コストは日本の8割前後にまで高まったとされる。 そのため、ベトナムやインドなどに新たな委託先を探る動きも出ている」とあります。
2年前、私はJETROの「ベトナムITミッション」でベトナムへ行ったのですが、その時も、多くの日本企業がベトナムでのオフショア開発に熱い視線を向けている様子がよくわかりました。
労働コストは中国よりもインドのほうが高い、と聞いていますので、今後ベトナムに更なる注目が集まっていくかもしれません。