2012年2月21日 日本経済新聞朝刊より
財務省が20日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字が1兆4750億円と単月で過去最大となったのは、アジア向け輸出が前年比13.7%減と大幅に落ち込んだことが大きい。昨年は2月だった中国、台湾などの春節(旧正月)が今年は1月だったことに加え、欧州危機のアジア経済への波及が進んだ。原子力発電所の停止でエネルギーの輸入が引き続き高水準になるのは確実なだけに、貿易収支の先行きはアジア向け輸出がカギを握ることになりそうだ。
(以上で日経新聞の記事は終わり)
2012年2月21日 朝日新聞朝刊より
貿易赤字はこのまま定着するのか。例年は2月が多い中国の旧正月が今年は1月で、工場の稼働日数が少なかった事情もあり、「過去最大の赤字は、一時的現象」(農林中金総合研究所の南武志・主任研究員)との見方が多い。
だが、第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは、「企業の海外進出が進み、たとえ世界景気が回復しても、輸出額が過去の水準に戻るのは難しい」と指摘。
核開発疑惑があるイランに対する先進国の禁輸措置で原油やLNGの価格がさらに上がり、貿易赤字が拡大するリスクもある。
これまで日本は、貿易収支と所得収支の二本柱で経常黒字を稼いできたが、1月の経常収支は2009年1月以来、3年ぶりに赤字になる見通し。巨額の貿易赤字が続けば、経常赤字が恒常化するおそれもある。
(以上で朝日新聞の記事は終わり)
内閣府は「日本は貿易赤字が定着したとは言い難い」(日経新聞)と指摘しています。
また、日銀の白川総裁も「一時的な要因で、定着するとは見ていない」(日経新聞)との見方を示しています。
本当にそうであればよいのですが・・・。
中国以外のアジア諸国への貿易収支は今のところ黒字となっていますが、実は日本が輸出した先のアジア諸国は、その部品を使って中国へ再輸出してお金を稼いでいるのです。
したがって中国経済が失速すれば、アジア経済全体が失速し、日本も多大な影響を受けるのです。
日本の経常収支が赤字定着するようにでもなれば、高騰する資源を輸入するお金はもう日本にはありません。
油もガスも食料も買えなくなった日本を想像したくはありません。
いまこそ日本の次世代のドル箱商品を官民挙げて研究開発していってもらいたいものです。