鎌倉 広町緑地

住宅地の中に残された”奇跡の自然”

私の住む鎌倉市内、それも自宅のすぐそばに信じられないほど豊かな生態系を維持した自然が残されています。まわりをぐるりと住宅地が囲んでいることを思えば、これはまさに”奇跡の自然”だと私は考えています。

コロナ禍が始まって2年半以上の月日が経ちますが、その間、最低でも週に2日以上この広町を散策しています。

もともとはコロナ禍によりジムでの水泳ができなくなったため、その代わりにと2キログラムのダンベルを手に持ち、広町の山道を歩き始めたのがきっかけでした。そして徐々に距離が伸びていき、やがて10キロから12キロメートル、ウォーキングするようになりました。

当初は窮余の策として始めたダンベルウォーキングでしたが、すぐに広町の自然の美しさのとりこになり、今では鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、風の葉音を聞きながら、四季折々に変化する広町の自然を満喫しています。

2022年6月からは、ジムの水泳にも復活し、以前のように長距離を泳ぐ楽しみは継続しているのですが、この広町ウォーキングもやめられず、今では週1回の水泳と週2~3回のウォーキングを楽しんでいます。

新緑が鮮やかな広町の木道(2021年4月3日撮影)

こんな格好で歩いています(2022年9月25日撮影)

結構急峻な山道もあります(2021年5月22日撮影)

急な階段もあります(2020年11月15日撮影)

広町からの”眺望”

絶景ポイントのひとつからは、大山丹沢山系や富士山が良く見えます。特に私は富士山と茅ケ崎の烏帽子岩が同時に見える点が気に入っています。

以前、大山に登った時、山頂から広町緑地を見ることができました。大自然の山岳地帯から見れば広町はちっぽけな緑地帯ですが、逆に言えば、あんなに小さな場所に豊かな自然が残されていることに改めて驚かされました。

富士山と烏帽子岩を同時に見ることができます(2021年1月1日撮影)

広町から見る夕焼けの富士山(2020年10月18日撮影)

相模湾も眺望できます(2021年11月28日撮影)

広町の”四季”

春は目に鮮やかな新緑だけでなく、山桜や様々な自然の花を楽しむことができます。

夏になるとまるでジャングルのようにうっそうと茂る緑の量に圧倒されます。

秋は何と言っても美しい紅葉に加え、市民団体が作るお米や野菜の収穫に目が奪われます。

冬になるとさらに景色が一変し、冷気と幻想的な静けさが森と湿地帯全体を包み込みます。

広町には四季折々の楽しみや発見があり、いつも期待を裏切りません。

広町の紅葉(2021年12月25日撮影)

広町の紅葉(2020年12月19日撮影)

市民がお米を作っています(2020年10月18日撮影)

お米の収穫(2021年10月15日撮影)

メタセコイア

広町には大エノキ山桜の巨木など、注目すべき樹木も多いのですが、その中でも特に2本のメタセコイアは思わず立ち止まり見上げてしまう見事な木です。

メタセコイアは針葉樹でありながらも落葉樹なので、四季折々の変化で人々の目を楽しませてくれています。

春のメタセコイア(2022年5月22日撮影)

初秋のメタセコイア(2020年11月15日撮影)

晩秋のメタセコイア(2020年11月29日撮影)

冬のメタセコイア(2022年2月26日撮影)

広町の”生き物たち”

広町の自然の豊かさは、樹木や清流や湿地帯だけでなく、そこに住む生き物たちの種類や数がそれをよく表していると思います。

まず、トンボ、蝶、セミ、秋の虫などはその数の多さに驚きます。実際、私自身が遭遇した珍しい昆虫としては、ホタルカラスアゲハオニヤンマ、ナナフシなどがあります。逆にあまりありがたくないものに大スズメバチがあります。

また、広町にはさまざまな鳥が住んでいて、バードウォッチングの趣味のある人たちには最高の場所のようです。特に春になると鳥の大合唱が始まり、とてもにぎやかになります。

私が実際に目にしたところでは、しばしば見かけるカモのほかに、色鮮やかなキジの雄やアオサギがあります。両方とも突然の遭遇だったため、とても写真には収められませんでしたが、住宅地のそばでこのような鳥を見かけるのはたいへん珍しいことではないかと思います。

以下の4枚の写真は、実際に私が遭遇し写真をとった生き物たちです。ダンベルを持ちながら歩いているため、スマホのカメラを設定するのは、そう楽ではなく、この時はなんとか写真に収めることができました。

アライグマ(2021年10月21日撮影)

恐ろしい獣の声が聞こえてきたので、何事かと思ったらアライグマが木に乗ってなにかを威嚇しているところでした。アライグマは見た目はかわいいのですが、その牙や爪はするどく近づけば危険な動物です。基本的には夜行性の動物なので遭遇できたことはとてもラッキーでした。

リス(2022年1月4日撮影)

広町には大変多くのリスが住んでいます。特に冬場は1回のウォーキングの間に10回以上はリスに遭遇します。冬は天敵のヘビなどがいないため自由に動き回れるからでしょうか。

モクズガニ(2021年4月18日撮影)

道ばたでモクズガニに出会ったときには驚きました。足の端から端までで14~15cmあったかと思います。サワガニは清流にしか生息しませんが、その中でも最大種といえるモクズガニがいる広町は本当に自然豊かな場所なのだと思います。

ザリガニ(2021年10月24日撮影)

子供たちが広町の小川の中に入ってザリガニを捕っている光景をよく見かけます。

このほかにも、1mを超えるアオダイショウマムシの子供にもよく遭遇します。アオガエルガマガエルのようなカエルに出会ったこともあります。

常に新しい発見のある広町には興味が尽きません。

市民の”憩いの散歩道”

空から見た広町(オフィシャルホームページより)

鎌倉広町緑地のオフィシャルホームページによると「鎌倉広町緑地は、約48haの広大な都市林(主として動植物の生息地または生育地である樹林地等の保護を目的とする都市公園)」とのことです。

管理事務所前の広場(2022年7月16日撮影)

市民の憩いの散歩道(2020年11月15日撮影)

私にとっては哲学の道(2020年11月15日撮影)

”里の秋”を思わせる道(2020年11月15日撮影)

徒歩圏内に湘南の海だけでなく、広町のような豊かな自然があることは本当に幸せなことだと実感しています。心身ともに癒してくれる広町は本当にすばらしい鎌倉の宝です。