2014年4月28日、5月5日合併号 日経ビジネスより
縮小するカメラ市場で、頼みの綱がミラーレス一眼。日本で人気となる一方、欧米での販売は振るわない。携帯電話のような「ガラパゴス」の道を歩んでしまうのか。
(以下、記事の要点)
・ 「軽い」「扱いやすい」「初心者向け」のミラーレス一眼レフカメラが好調なのは日本だけで、海外では早くも勢いを失った。
・ ミラーレスはアメリカで売れていない。理由は「小さすぎて扱いにくい」から。ヨーロッパでもこの傾向は強い。
・ レンズとボディーを接続する規格が各社で違うことも、ミラーレスの普及を妨げている。
・ スマホに食われ縮小するデジカメ市場で、「打倒一眼レフ」でミラーレスに開発資源を集中する中堅メーカー各社にとっては、いっそう厳しさが増す。
・ 市場全体が小さいのにプレーヤーが多すぎる。逆風の多いカメラ市場では、いつ業界再編が起こってもおかしくない。
(以上で記事終り)
高性能で、小さくて、便利で、よく売れているのに、気がついたら、世界標準から取り残されていた・・・・日本でしか売れない携帯電話の「ガラパゴス化」は再びミラーレス一眼レフカメラ市場でも繰り返されるのでしょうか?
かつてソニーは、より高品質で、より小さいビデオテープレコーダーをより早く市場に投入したのにもかかわらず、その後のマーケティング戦略で失敗し、せっかくの技術を活かせず、VHS陣営に惨敗した話はあまりにも有名です。
ベータマックスが失敗した理由のひとつに、世界最大のアメリカ市場で一挙にシェアを奪い、先手必勝の勝ちパターンを作れなかったことがあると聞いたことがあります。
「それはなぜなのか?」というと「アメリカンフットボールの試合時間」という意外な答えが返ってきました。
当初、ベータマックスの録画時間は、最大2時間だったので、アメリカンフットボールの試合をすべてカバーできなかったため、アメリカ人は多少画質が劣っても長く録画できるVHSを選んだとのことでした。
今回のミラーレス一眼の話も似ています。
日本人にとっては一眼レフカメラは「大きくて重いから持ち運びが大変」でも、アメリカ人にとっては「ミラーレス一眼レフは、小さくて扱いが大変」となるのですから、わからないものです。
日本メーカー同士でしのぎを削り、すばらしい製品を作りあげたのに、結局海外では見向きもされず、漁夫の利を外国メーカーにさらわれる、という最悪の事態だけは避けてもらいたいものです。
ただ、一人のユーザーとして意見を言わせてもらえば、レンズの規格を世界で統一してもらいたいものです。
高級カメラは全てレンズの規格が各社で違うため、結局一番最初に選んだメーカーのカメラを永遠に使い続けなければならない、という「売る側の論理」で市場ができあがっています。
この規格を統一し「お客様の満足」を第一に考える日本のメーカーが現れてくれることを願っています。