2007.6.1 CNET Japan
調査によると、2006年の国内IT市場規模は、前年比2%増の11兆9948億円。同社による予測では、2007年に12兆2474億円(前年比2.1%増)に拡大。また、2006~2011年の年間平均成長率は1.7%と試算しており、2011年のIT市場規模は13兆788億円に達すると見込んでいる。
(中 略)
また、2007年以降は、2008年4月に始まる日本版SOX法の適用などにより、上場企業を中心とした、内部統制のためのIT投資が国内IT市場を押し上げると予測している。
・・・・(記事の転載ここまで)
「日本版SOX法」とは、
「相次ぐ会計不祥事やコンプライアンスの欠如などを防止するため、米国のサーベンス・オクスリー法(SOX法)に倣って整備された日本の法規制のこと。上場企業およびその連結子会社に、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化を求めている」
とあります(→詳細はこちら)
米国最大のエネルギー会社だったエンロンが、2001年12月、チャプター11(米連邦破産法11条)を適用して破綻しました。米国最大級の会計事務所アーサーアンダーセンと共謀の上、簿外で巨額の負債隠しを行っていたという不正会計事件でした。
私が学生だった、70年代後半から80年代前半のころ、米国の経済学、会計学、経営学は常に光り輝く憧れの的でした。日本の企業会計と監査の仕組みと米国のそれとは、まるで日本のプロ野球とメジャーリーグ(当時は大リーグと呼んでいました)の違いのように、比べることすらナンセンスであるかのごとく、偉大な存在だったのです。
しかし、その後野茂やイチローがメジャーリーグで大活躍するのを見につけ、日米野球の力の差がそんなにないことに気がつき始めました。
同様に、2001年に米国のエンロン事件を知ったとき、私は「ブルータス!おまえもか!」という思いで、驚愕しながら事件を注目していました。あのアメリカがこんなずさんな会計システムや監査システムを持っていたとは、夢にも思わなかったからです。
ただその後のアメリカの対応のすばやさは、さすがでした。大統領の鶴の一声で委員会が設置され、2002年4月には下院議院で可決、同年7月には各種不正会計事件への対応法案、SOX法が成立したのです。この迅速な対応や危機管理だけは、決して日本にはマネのできない、アメリカのすごいところでもあります。
さて、日本ではこの「日本版SOX法」が来年の4月からいよいよ施行されます。これによりIT関連への投資が一段と強まっていくという見方が強いようです。
企業のグローバル化に伴い、企業会計も国際化し、きわめて複雑になってきました。粉飾、脱税、資産隠し、所得隠しの手口もまさにグローバル化し、「見解の相違」もまたグローバル化してきているわけです。
この21世紀、金融や会計にともなう翻訳需要はますます重要性を帯び、需要もいちだんと拡大していくことでしょう。