今後50年で世界経済のパワーバランスは劇的に変わる
最新のOECD報告書によると、今後50年、躍進を遂げる新興経済が世界のGDPの大部分を占めることとなり、世界経済のパワーバランスは劇的に変わることが予測されます。
これまで私たちが慣れ親しんだパターンとは異なる長期的経済成長を辿ることで、各国経済の世界に占める割合は大きく変化することになります。現在トップに君臨する米国は、早くて2016年にも中国に追い超され、いずれはインドにも追い越されるでしょう。さらに中国とインドを合わせれば、まもなくG7全体の経済力をも追い超し、2060年にはOECD加盟国全体を追い越すことが予測できます。急速な高齢化が進むユーロ圏や日本といった現在の経済大国は、若年層が人口を占める新興経済のインドネシアやブラジルのGDPに圧倒されることになります。
⇒ OECD東京センターのサイトより
(以上で引用は終わり)
「世界経済のネタ帳」のデータを元に、世界の主要国と日本の名目GDPの推移 を比較してみました。
まずはGDP世界第2位の中国との比較ですが、2005年あたりから急激にGDPを伸ばし、あっという間に日本を追い越してしまった様子がグラフで見るとよくわかります。
次にGDP世界第1位のアメリカとの比較はどうかというと日本の「失われた15年」の間にますます差が拡大していった様子がグラフだとよくわかります。
それでは、GDP世界第4位のドイツや同じく第5位のフランスはどうかというと、確かに「失われた15年」の間に差が縮まったようですが、再度開いていき依然日本とは差があることがわかります。他のヨーロッパ先進国もこれと大差ありません。
中国を除くBRICs諸国はどうでしょうか?
確かに伸び盛りであることはわかりますが、依然日本とは差があることがわかります。
GDP世界第6位のブラジル
GDP世界第9位のロシア
GDP世界第10位のインド
最後に現在日本の電機業界を窮地においやっているサムスン電子やトヨタ・ホンダを急追する現代自動車の国、韓国はどうでしょうか?
意外なことに日本とはまだまだ差があることがよくわかります。
GDP世界第15位の韓国
OECDのレポートでは、世界における日本の名目GDPのシェアは、2011年が7%、2030年が4%、2060年が3%とどんどん落ちていくと予想しています。
しかし上記のグラフを見た限りでは、押しも押されぬ超大国アメリカと現在伸び盛りの人口超大国中国を除けば、まだまだ日本に余力は残されていると感じます。
国民一人あたりのGDPを伸ばすべく、国全体の具体的成長戦略を定めさえすれば、まだまだ日本は捨てたものじゃないと思います。
日本人は、決められた道をまっしぐらに進む生真面目集団が多いので、落ちる時も早いのですが、正しい方向性さえ定まれば、回復するときもきっと早いと信じているからです。