2012年8月22日 日本経済新聞朝刊
ロシアが22日、156番目の加盟国として世界貿易機関(WTO)に加わる。「最後の大国」といわれたロシアの加盟で、WTO加盟国・地域の貿易額は世界全体の98%に達する。ロシアは工業製品の平均関税率を約9%から約6%に引き下げるとともに、市場開放や外資呼び込みに力を入れる。日本企業による自動車などの輸出にも弾みがつくことになる。
ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟により、日ロ間の貿易は拡大に一段と拍車がかかりそうだ。関税が下がれば日本からの主力輸出品である自動車の輸出に追い風が吹くほか、知的財産の保護といったルールの共通化も対ロシア投資を考える企業にとってメリットは大きい。
原油などの資源高をテコにロシアが高い経済成長を遂げたのに伴い、日本からロシアへの輸出額は10年間で16倍に急増した。2001年当時は日本にとって44位(7.2億ドル)の輸出先にすぎなかったロシアは11年には15位(118億ドル)まで浮上。輸出増の最大のけん引役は自動車だ。ピークの08年は日本から中古車を含めて98万台を輸出した。
9月上旬にアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が開かれるウラジオストクでは、右ハンドルの日本車が多く走っている。WTO加盟で新車に対する関税は現在の30%から25%に低下。さらに今後7年間で15%まで下がり、日本からの車の輸出は300万台規模まで膨らむとの見方もある。
ロシアへの投資の追い風にもなる。これまでは不透明な法律の運用などを理由に、ロシアでの投資に二の足を踏む日本企業も多かった。WTO加盟後はロシアが不公正な競争環境を放置すれば他の加盟国から提訴される。「同じ土俵にロシアを立たせることができるのが実質的な最大のメリット」(経済産業省幹部)という。
(以上で記事終わり)
中国がWTOに加盟したのが2001年の12月ですから約10年が経ちます。「国際貿易投資研究所」の資料によると2000年から2010年の10年間で中国のGDPは5倍になっています。
中国がその間、これだけ急成長したという理由は決して一つではないでしょうが、WTOの加盟により貿易相手国が安心して取引できるようになったという点も見逃せないでしょう。
その点次なるはロシアということでしょうか。
それにしても、かつてアメリカと軍拡競争を繰り広げ、宇宙開発でも競い合ったあの大国ロシアのGDPが、あまりにも小さかったこと自体が逆に驚きです。
こんな国がなぜあんにたくさんの核兵器を開発し保有できたのか?
なぜ、宇宙にロケットを飛ばすことができたのか?
とても不思議です。
第2次世界大戦が終わった時にナチスドイツが持っていた、核技術、ロケットエンジン技術、医薬技術(ユダヤ人殺りくによる大量の人体実験データを保有)を米ソが分け合ったため、その後の米ソの科学技術が急速に発達したという説もあります。
そのため戦後の米ソのジェット機の姿かたちは酷似していたと言うのです。
まあ、話は脱線してしまいましたが、今後ロシア経済が急成長する条件は十分整っているので、日本とロシア間の貿易の行方からも決して目が離せません。