日本学力トップ集団脱落 高校1年対象OECD調査 読解力、前回並み

2007.12.05 CHUNICHI Web

経済協力開発機構(OECD)は四日、世界の五十七カ国・地域の十五歳(日本では高校一年生に相当)約四十万人を対象に昨年実施した学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。数学的応用力は六位から十位に、科学的応用力は二位から六位に転落。前回の調査では読解力の低下が課題とされたが、今回は科学的、数学的の応用力も「一位グループ」から脱落した。

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なかなか鵜呑みにはできない調査結果です。各紙を読み比べてみても、OECDの調査方法の詳細にはあまり触れていません。

今回は57カ国、40万人が調査対象で、日本では約6,000人の高校一年生が試験を受けたとのことですが、40万人÷57ヶ国=約7,000人ですから、まず、日本人のサンプル数が妥当であったのかどうかが疑問です。

人口1億2,800万人の”大国”日本と、人口数百万人の”小国”のサンプル数がほぼ同数で、はたして正確な統計がとれるのかどうか分かりませんが、アメリカ、フランス、ロシア等の”大国”が、TOP20にも入っていないことが気にかかります。

加えて、前々回(2000年)の調査で日本は、「数学的リテラシー(応用力)」で世界第1位、「科学的リテラシー」で世界第2位でした。

ということは、現在の大学4年生(22歳~23歳)は、世界でもトップクラスの「数学的応用力」と「科学的応用力」を持っている、ということでしょうか?

「学力低下」の諸悪の根源は「ゆとり教育」にあると日本のマスコミは決めつけていますが、1980年度から段階的に始まった「ゆとり教育」をまさに受けた、現在の大学4年生が、実は世界でトップクラスの「数学的・科学的」応用力を持っていたとは、皮肉な話です。

日本のマスコミは、そのへんのことは一切触れていませんが、本当なのでしょうか?

つまり、この統計調査のやり方そのものに少し疑問を感じます。信憑性の高い統計がとれるようになるまでは、もう少し時間が必要なのかもしれません。