2008.4.3 NIKKEI NET
東芝が米国の電力会社2社から計4基の原子力発電所を総額約1兆4000億円で受注することが2日、明らかになった。傘下の米ウエスチングハウス(WH)の新型軽水炉が採用される見込み。2006年にWHを買収してから最大規模の受注となる。東芝は先に米国で8000億円の原発受注も決めており、新設ラッシュが続く米国市場で攻勢を強める。世界最大の市場である米国での実績をてこに、新興国を含めた原発事業の世界展開を加速する。
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この件に関しては、このブログの中で過去に2回とりあげています。
2007.6.27 「東芝がアメリカの原発受注、総事業費6000億円」
2007.3.20 「原子力白書、情報公開徹底求める」
本日(2008年4月3日)の日経新聞(紙媒体)の記事に、世界の原発メーカーの状況が分かりやすく書かれています。下記に私が作成した「世界の原発大手の提携関係」の図を載せておきますので、ご参照ください。
図の中にある、「PWR方式」と「BWR方式」とは、原子炉の種類のことです。原子炉は、加圧水型軽水炉(PWR)と沸騰水型軽水炉(BWR)に大別されるのですが、現在では「PWR方式」が主流になりつつあります。その理由は、「BWR方式」は建設費は割安なのですが、放射能の管理が難しいと言われているからです。
目下、この「PWR方式」を提供できるメーカーは、世界広しと言えども、アレバと東芝傘下のウェスチングハウス(WH)、三菱重工業の3社しかありません。
アメリカでの同時多発テロ(9.11)後の石油価格の暴騰と中東情勢の不安および世界的規模でのCO2排出規制の流れで、今後世界における原発需要は膨大なものがあります。
米国だけでも、今後20年間に約30基の原発を建設する計画があります。その他、ロシア、中国、インド、南アフリカ、日本等の国々の計画も含めれば全世界で100基は優に超えるでしょう。
原発プラントを1基建設するのに、最低でも2,000億円は下らないと言われていますから、今後、すさまじい特需がこれらの原発メーカーに舞い込むことになります。
いずれにせよ、世界の原子力発電所の行方は、日本企業の手にゆだねられている、と言っても過言ではないでしょう。
言うまでもなく、関連する翻訳需要も膨大なものがあるはずです。