2009年11月15日(日)の日経新聞の記事から
上の図を見るとずいぶんと懐かしい名前がならんでいます。確かに昔は沢山の「大手銀行」がありましたね。
それも今や気がついてみると、たったの6グループに再編されてしまいました。これは欧米の金融機関が合併・買収を繰り返し、巨大化していく流れに対抗すべく、日本でもどんどん巨大化が進んでいったからでした。
しかし、日経新聞の記事によると昨今の欧米の金融機関では「昨秋以降の金融危機をきっかけに、金融機関の巨大化には見直しの動きが広がっている」そうです。
「組織が巨大化し過ぎて管理がしきれない」のだそうですが、あげくのはては政府にとって金融機関は「大き過ぎてつぶせない」組織になってしまったからだとは、あきれはててものが言えません。
日本でもアメリカでもそうですが、バブルがはじけて未曾有の経済危機に直面した時、自国の経済を守るためには、なにがなんでも自国の金融機関を守らねばならないと実に手厚い保護をし続けてきました。
そのうえ国際競争に勝ち、国内産業を守るためには巨大な金融機関が必要との理由でどんどん合併・買収を奨励してきました。
そのあげくのはてが「大き過ぎてつぶせない」から考え直そうとしている、とは実に無責任な話です。
「組織が巨大化し過ぎて管理がしきれない」などは最初からわかっていたはずですが、この見直しの動きが本格化すると他の産業への影響も出てくるかもしれません。
「大きいことはいいことだ」・・・・・・・、これは高度経済成長期の日本で流行ったキャッチコピーですが、未曾有の経済成長と未曾有の経済危機を迎えた21世紀初頭の世界経済に変化が現れるのでしょうか?
今後も「規模の利益の追求」と「グローバリゼーション」の流れは変わらないとは思いますが、それでもしっかり小規模ビジネスは生き続けるでしょう。
製造業等のモノを作る業界、小売業等のモノを売る業界、金融業等のカネを貸す業界においては、「規模の利益の追求」はある程度避けられないでしょうが、サービス(役務)を提供する事業においては、その流れはやはり限定されるでしょう。
30年も40年も昔から「業界再編」という言葉がささやかれてきました。印刷業界、出版業界、新聞業界、広告業界・・・・・・等々、いくらでもあります。翻訳業界もそうでした。しかし、大きな組織の枠に収まりきらない人間はいつの時代もどこの世界でも必ずいて、その数は決して少数派ではないからです。