2009年10月8日、日本経済新聞の朝刊から。
「電子部品の受注が回復傾向にある。7~9月の京セラや村田製作所などの受注額は4~6月に比べ1~2割増加し、2四半期連続でのプラスとなった。日本電産の出荷数は過去最高。電子部品は景気の先行指標とされ、世界のデジタル景気が昨秋以降の落ち込みから脱しつつあることを示す。
(中略)
ただ先行きには不透明感が強い。日本経済新聞社が電子部品メーカーなど30社を対象にした『電子部品景況調査』では、10~12月の景況感が『良くなる』と答えた企業は40%にとどまる。(後略)」
(以上で記事終り)
この記事によると京セラ、TDK、日本電産、村田製作所などの電子部品メーカーの7~9月期の受注額は回復傾向にあるが、それは主に中国向けの受注が増えているからであって、依然日本や米国市場向けは前年同期を割り込んでいる、とのことです。
また、半導体需要が多く見込めるパソコンに関して言えば、ネットブックと呼ばれる低価格ノートパソコンの市場が拡大しているほか、マイクロソフトの新OSである、ウィンドウズ7の発売に備えて、メーカーが生産体制を拡充しているとのこです。
ただ「Microsoftの次期OS発売を目前に米eWEEKが行った聞き取り調査の結果は、誰もがWindows 7を待ちわびているといった状況ではなかった。」(この記事の詳細はこちら → ITmedia News)という声も聞かれるので、マイクロソフトの新OSが一挙に世界景気を盛り上げる、とはなかなか考えにくい状況です。
日本の翻訳業界への影響という点で考えれば、世界のデジタル景気は最悪期は脱したが、先行きは不透明で、結局は米国の景気回復次第というごく平凡な答えに行き着いてしまいます。