2007.7.25 FujiSankei Business i.
トヨタ自動車は24日、新潟県中越沖地震の影響で操業を停止していた工場を25日に全面再開することを明らかにした。被災した自動車部品大手リケンの柏崎工場が復旧し、安定的な部品調達が見込めると判断したため。スズキなども全面再開する。週内には全12メーカーで、一部の軽自動車工場を除く全工場で操業を再開できる見通しで、一連の“リケンショック”からの早期復旧が実現しそうだ。
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地震により”リケン株式会社”が部品を供給できなくなり、日本の全自動車メーカー(12社)の生産ラインがストップしました。
今回の操業停止による減産台数は、全メーカー合計で12万台超にも達するそうですから、まさに驚きです。
この”リケン”という会社はいったいどんな会社なのでしょう?
ホームページによると、連結売上高、912億円、従業員数1,545人という立派な上場大企業です。しかし、売上規模で比べれば、トヨタ(24兆円)のわずか0.4%にも満たない蟻んこ(失礼!)のような存在です。
その小さな企業が、マンモス企業、トヨタの全28工場の操業を停止させてしまったわけですからそのわけを知りたくなります。
”リケン”は、ピストンリングの国内シェアで50%以上、全世界でも20%を占めているそうです。
エンジンの”ピストン”を締める金属の”リング”、まさに指輪のような形をした、単純な金属の”わっか”にしか見えないのですが、この中にはきっと、素人にはわからない重要な技術が隠されているのでしょう。
そして”リケン”のピストンリングには、決定的に他社と差別化された高度な技術が潜んでいるのでしょう。
このように、日本には隠れた「超優良企業」がたくさんあります。特に一般には無名の中小企業の中に、驚くべき超優良企業があったりします。
まさに「なりは小さくとも百獣の王」と言う訳で、このような優秀な企業や技術者たちが、技術立国日本の技術を陰から支えているわけです。
今回の新潟県中越沖地震は不幸な天災ではありましたが、そのおかげで改めて、「企業にとっては技術力が命」を再認識することができました。