上場企業、経常益42%増 円安や海外需要追い風

2013年11月16日 日本経済新聞

4~9月、製造業は全業種増益 非製造業は最高益に

上場企業の業績回復が鮮明だ。2013年4~9月期連結決算は全産業ベースの経常利益が前年同期比42%増えた。業種別では31業種中、製造業は17業種すべてが増益となった。円安や海外需要の回復を追い風に自動車や鉄鋼の伸びが目立つ。非製造業は空運など4業種が減益だったが、通信などの伸びで合計額では過去最高を更新した。

15日までに4~9月期決算発表を終えた3月期決算企業1495社(金融、電力、新興などを除く)を集計した。

製造業は自動車やスマートフォン(スマホ)関連の増益額が大きい。リーマン・ショック前の07年4~9月期に比べ8割の水準まで回復した。

2013年11月19日日経2

2013年11月19日日経3

2013年11月19日 日本経済新聞

最高益企業 金融危機後で最多 今期経常益 6社に1社
自動車・スマホ関連がけん引

上場企業の収益回復の裾野が広がっている。2014年3月期の連結経常利益が過去最高となる企業は266社と、08年秋の金融危機後では最多になる見通しだ。6社に1社が最高益となる。円安や堅調な内需を追い風に自動車やスマートフォン(スマホ)関連企業の収益力が一段と上向き、全体をけん引する。

3月期決算企業1647社(新興・金融・電力など除く)を対象に集計した。全体に占める最高益見通しの企業の比率は16%強。金融危機が本格化する前で、上場企業の経常利益が最高となった08年3月期(約25%)以来の水準だ。08年3月期の利益水準を上回る企業も827社と、全体の5割を超す。

2013年11月19日日経1

(以上で日経新聞の記事終り)


帝国データバンク 景気動向調査(全国)
– 2013年10月調査 –

景気DIは46.8、小規模企業が2カ月連続で過去最高を更新
~ 全国10地域中6地域が過去最高となり、景気上昇が地方経済にも浸透 ~
(調査対象2万2,766社、有効回答1万769社、回答率47.3%、調査開始2002年5月)

2013年11月19日 帝国DB

(以上で帝国データバンクの資料終り)

これらの統計によると「日本は好景気に沸いている」そして「好景気に向かっている」ということのようです。

また、翻訳業界と関わりの深い貿易額そのものも順調に増えつつあるようです。⇒ 財務省貿易統計(速報値)

やはり日本経済の基本は「モノ作り」、つまり「製造業」と言えるでしょう。

その「製造業」のなかでも特に日本経済全体に大きな影響力のある業界は「電気機器」と「自動車・部品」ではないでしょうか。

上記「上場企業の主要業種別連結業績動向」の表をご覧ください。

「製造業」全体の売上合計額のうち、「電気機器」と「自動車・部品」の売り上げだけで48.4%、つまり約半分を占めています。

思えば、リーマン・ショック後、特に落ち込みの激しかった業界は、日本の「電気機器」業界でした。

アメリカのサブプライムローン問題に端を発したアメリカのバブル崩壊は、深刻な金融危機(2008年9月のリーマン・ショック)を招き、その後すぐにヨーロッパ全土へと飛び火しました。

しかしながら当初日本では、この金融危機は楽に乗り越えられると報じられていました。なぜなら日本のほとんどの金融機関はアメリカのサブプライムローンと関係を持っていなかったからです。

しかし、実際フタをあけて見るとこのショックで一番ダメージを蒙った国が日本だったのです。

アメリカ、ヨーロッパ諸国、中国の経済政策が迅速にして的確であり、日本の政策だけが最悪だったという理由もあるでしょう。

しかし、それだけが原因ではなかったと私は考えています。

このリーマン・ショックにより、日本の「自動車・部品」業界と「電気機器」業界が、いかに海外市場に寄りかかっていたかが明白となりました。

さらに、「自動車・部品」業界に大きく寄りかかる「電気機器」業界の傷口は、深く大きいものとなったのです。

そのため欧米の消費市場が落ち込むとまっさきに日本の「電気機器」業界の業績が落ち込み、危機が一段落してみれば、結局日本の「電気機器」業界だけが圧倒的な「一人負け」の状態で世界経済から取り残されてしまったのです。

私は、日本の「電気機器」業界の完全復活なくして、日本経済に夜明けは来ないと確信しています。

世界のどこにも負けない、圧倒的に強い日本の「電気機器」業界の復活を願ってやみません。