2007.5.10 asahi.com
トヨタ自動車の営業利益が日本企業で初めて2兆円を超えた。1兆円突破からわずか5年で倍増した。その規模は電力10社や大手家電6社の各業界の営業利益の合計をもしのぐ。売上高は約24兆円と、ほぼロシアの国家予算並みだ。利益世界ランキングでは超原油高や金融市場の膨張を背景に石油会社や金融会社が上位を占めるが、トヨタはものづくり企業としてトップ級の地位をしっかりと固めている。
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米フォーブス誌の「世界の企業の当期利益ランキング」によると、トヨタがTOP15に入っていますが、トヨタと7位のファイザー(製薬会社)を除けば、残りは全て石油会社と金融会社です。
この石油会社と金融会社、正直なところ私はあまり良い印象は持っていません。米英系の大手石油会社が、過去と現在の軍事力をバックに発展途上国から利権を吸い取り、現代社会に不可欠の石油を独占して、大儲けしている構図が透けて見えるからです。
第6位のゼネラル・エレクトリック社(米)は、あの発明王エジソンが創立した電機メーカーであり、”世界一の経営者”の称号を得た、あのジャック・ウェルチ元会長が率いた会社でもあります。しかし、ウェルチ会長在任中に、ゼネラル・エレクトリック社は、電機メーカーから金融会社へと変貌し、現在では「総合」という奇妙な業種に分類されています。
「職業に貴賎はない」という言葉があります。しかし「他人のふんどしで相撲をとる」金融業者がこのような巨万の富を得ていることに、正直大いなる疑問を感じます。
前々年度、トヨタは8,023億円の営業利益を海外、つまり日本以外の国からあげていますから、昨年度はさらに多くの利益を海外から稼いでいることでしょう。しかし、トヨタは製造業であり、額に汗して働く”実業”企業です。
その他の企業は全てが”虚業”、とまでは言いませんが、やはり強大な政治力と軍事力をバックに持つ”武力軍団”に見えて仕方がありません。
”地に足のついた”日本の製造業が、今後も大いに発展していくことを願ってやみません。