傘の輸入がピーク/横浜

2007.6.1 神奈川新聞

梅雨入りを前に、横浜港で傘の輸入がピークを迎えている。横浜税関によると、国内で販売されている傘の約九割は輸入品で、輸入量は年々増加傾向にあるという。

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100円ショップで初めて100円傘を見たときは、本当にびっくりしました。少々安っぽくはありますが、十分に使える傘だったからです。

傘の需要は雨季と乾季で大きく異なり、乾季前の傘工場では、遊休設備と遊休社員の処置に頭を抱えていたそうです。

そこに目をつけた日本の100円ショップの経営者が、中国奥地にある傘工場へ乗り込み、中国人経営者と交渉して「設備と人が空いている時のみ生産する」という条件で100円傘の生産を委託したそうです。

華僑に代表されるように、中国人の商魂はたくましいと思うのですが、その上を行く「燃える商魂」のような持ち主が、やはり日本人にもいるものなのですね。

おかげで私たちは、非常に安い傘を手に入れることができるようになりました。私が子供のころ傘は貴重品で、1本数千円しました。電車に置き忘れなどしたら、必ず遠くの駅まで受け取りに出かけたものです。

今の時代、傘を受け取るために電車で往復したら、その電車賃だけでいったい何本の傘が買えるでしょうか?いまや傘は「使い捨て」の時代となってしまいました。

それどころか傘を買う必要もありません。駅で雨に遭遇したら、遺失物預かり所へ行き、「先日傘を忘れました。黒のジャンプ傘です」と言えば、「好きなだけもって帰れ」と束で渡してくれるでしょう。

まあ、これは冗談ですが、それほど”モノ”の値段が安くなった、ということです。「使い捨てる」ことは決して本望ではないのですが、修理の費用と新品に買い換える費用とを比べると、どうしても二の足を踏んでしまいます。

傘、靴、自転車、スポーツ用具、その他の日用雑貨はもちろんのこと、洋服や家電品やパソコン、ケータイ等の電子機器類も、人件費の安い中国や東南アジアで生産しているため、本当に安く買えるようになりました。

しかし、それを日本国内で修理しようとすると、日本人の人件費がかかってくるため、ひどい場合は、新品を買い直すよりもお金がかかったりします。

これからは地球環境を保護するためにも、「モノのリサイクルを義務付ける法律」が、より強化されてくることでしょう。

そういえば、わが翻訳業界にも「翻訳メモリー」というリサイクル品が出回るようになりました。これは”モノ”ではないので、あまりありがたい話ではないのですが、やはり時代の流れなのでしょうね。