2012年2月8日 日本経済新聞朝刊より
企業業績のけん引役が様変わりしている。2012年3月期の予想連結純利益が多い順に上場企業をランキングしたところ、上位にはNTTドコモなど内需型の通信や、資源高で潤う商社が名を連ねた。テレビ不振と円高で苦境に立つ電機大手は、パナソニックなど5社が1000億円以上の赤字となる。日本の稼ぎ手が製造業から非製造業へ、輸出関連から内需関連へと移り、産業地図が塗り替わろうとしている。
(以上で記事終わり)
これは日本の翻訳業界のみならず、日本全体にとって大変由々しき問題といえるでしょう。
利益上位に名を連ねた「通信」と「商社」は、いわば国策会社とも言える産業です。
「通信」はインフラ整備のため、莫大な国家予算を費やす産業であり、また国防上においても非常に重要なため、昔からどの国においても、国家が大きく関与してきました。
また、今回「商社」は、資源高により莫大な利益を上げたようですが、この「資源」もまた「国策企業」が扱う最たるものです。
日本は、今後「製造業」という産業をどのような位置に置こうとしているのでしょうか?
① 米国アップルのように、製造は新興国にまかせて、設計、デザイン、ソフトウェア開発に特化する製造業を目指す。
② 韓国のように国策で同業者を一つか二つにまとめて、世界で戦える巨大企業に集約してしまう。たとえば自動車メーカーにおける現代、電機メーカーにおけるサムスン、LGのように。
③ 日本はもう「ものづくり」はしない、と切り捨ててしまう。
まさか③の対応を考えているとは思いませんが、現在の日本政府の無為無策を見ていると、結果的に③になりそうで心配です。
強力な円高対策はもちろんのこと、企業グローバル化への後押し、法人税、相続税の減税も必要です。やはりまずは選挙でしょうか・・・・。