円安と国債とインフレと

2010年4月6日、朝日新聞の朝刊より

「外国為替市場で円安傾向が強まっている。5日の円相場は一時、対ドルで94円70銭まで下げ、昨年8月18日以来となる95円台の大台に迫った。米国で景気回復の予想から金利の先高感が高まり、日本より金利が高いドル資産に投資しようとする動きが広がっているからだ。ただ、米景気の回復に力強さは乏しく、円安がさらに進むかどうかは不透明だ」

2010.4.6 朝日新聞
(以上で記事終り)

戦後の日本経済の発展は、製造業による輸出に「おんぶにだっこ」されてきたわけですが、その傾向が近年さらに強まってきたことが先のリーマン・ショックでばれてしまったわけです。

その輸出企業にとって円安は良いことで、輸出が増えれば輸入も増え、これはこれで日本の翻訳業界にとっても良いこととなります。

しかしことはそう単純には運びそうにありません。いまや日本の国債の予定発行残高は約860兆円となり、国家予算の10倍超、約500兆円といわれるGDPの1.7倍となりました。

このまま永遠に赤字国債の発行が続くわけもなくいつかは必ず行き詰るときが来ます。そのときはどうなるか?

1. 日本の国債の格付けが下がる。

2. 日本のカントリーリスクが高まり、資金が海外へ移動し円安となる。

3. 日本の国債の金利が上昇することにより、国家予算が破綻する。

4. 郵便貯金を初めとする金融機関の預貯金が凍結される(引き出しができなくなる)。

5. 消費税の大増税により不況に拍車がかかる。

6. 日銀が紙幣を刷りまくりインフレ政策をとる。

7. 円安がいっそう進み、輸入原材料が高騰し、さらにインフレに拍車がかかり、瞬く間にハイパーインフレとなる。

8. 国民の預貯金や紙幣が紙くず同然となる。

9. 日銀が新紙幣を発行することにより、国債という借金がすべて棒引きにされる。

10. 「経済大国」日本のデフォルト(国家債務不履行)が引き金となり、世界大恐慌となる。

現在アメリカの金融機関もサブプライムローンによる不良債権の処理を3年間返済猶予されているにすぎません。

恐ろしい話ですが、現政権が郵便貯金限度額を1,000万円から2,000万円に引き上げるなど準備を始めているところをみると、このストーリーも決して絵空事ではない気がします。

では私たちはどうすればよいのか?

海外へ移住し資産も海外へ避難させるか、あるいは日本国内に残るならば、全財産を不動産と金に変えてじっと耐え忍ぶか、このくらいしか対策は思い浮かびません。

しかしこれはそう簡単には実行できませんよね。ただし、日本の国債の格付けが現在より2段階下がったら即実行ですね。その時ではもう遅いかもしれませんが。