「貿易統計と円相場」編
「財務省貿易統計」および「日本銀行外国為替相場」その他政府関連サイトから集めた数値をエクセルでグラフにしてみました。2007年の輸出入額は12月中旬までの速報値をもとに算出した、”私の推計値”ですが、恐らく確定値とそう大きな狂いはないはずです。”今日本で一番早く算出された貿易統計”のはずです。ご参照ください。
さて、今回は大層な題名をつけてしまいましたが、最近の日経新聞の中から特に興味を引いた記事を2つ選んでみました。
2008年1月11日、「YEN漂流 私はこう見る」伊藤隆敏氏の記事から抜粋
<いとう・たかとし 一橋大学教授、財務省副財務官などを歴任し、2006年から経済財政諮問会議の民間議員も務める。57歳>
「対ドル相場(名目)だけをみていると見誤る。円はすごく安い水準。日米で見れば約3%のインフレ格差が過去7年間続き、その分だけ円は実質的に安くなっている。1ドル=100円でも昔の120円前後と同じ。輸出産業にとって大打撃ではない。主要通貨のなかでの円の価値を示す実質実行為替レートを見るべきだ」
2008年1月10日、「YEN漂流 私はこう見る」松本大氏の記事から抜粋
<まつもと・おおき 87年東大卒。1994年に30歳で米ゴールドマン・サックスのゼネラル・パートナー(共同経営者)。1999年マネックス証券を設立。日本のネット証券の草分けの一人。44歳>
「今は日本の個人金融資産が1500兆円あり世界でも有数の規模。一人当たりのGDP(国内総生産)でもまだ高く資本市場にもそれなりの厚みがある。だが、2050年に中国のGDPは45兆ドルで日本の7倍以上になるという。インドなどの新興国も台頭しているし、米国も成長を続けるだろう。その中で日本が今の経済的位置を保ち、世界的な金融センターとして存在感を示せると考えるのはおとぎ話」
「円高が進む間は預金を放っておいても日本人は世界の中で裕福になった。今の中国人が人民元資産を持っているだけでお金持ちになっているのと同じだ。逆に日本の地位が低下し円が安くなると、日本人は円預金をしているだけで国際的にはどんどん貧乏になる」