日経ビジネス2011.8.8-15合併号の記事の抜粋です。
(以下、記事の抜粋)
上場企業の4~6月期決算は米国、欧州、中国という主要市場での減速が目立った。家電は薄型テレビの売り上げ減に悩む。円高も重しとなり、自動車も苦戦した。震災の影響を脱した企業にとって、世界景気の行方が最大の経営リスクになってきた。
<パナソニックの上野常務>
「世界的に販売が落ち込んでおり、特に北米と欧州の落ち込みが激しい」
<サムスン電子>
4~6月期の液晶パネル部門が2,100億ウォン(約154億円)の営業赤字。
<ソニーの加藤CFO)
「もはや(薄型テレビの)台数シェアは追わない」
<パナソニックの上野常務>
「(薄型テレビの)数は追わず収益を重視する」
<シャープの野村経理本部長>
「いたずらに(薄型テレビの)販売台数を増やすのはなく、強みが発揮できる大型液晶で攻める」
<日本電気硝子>
液晶テレビ向けガラスの販売が鈍く、単価も下落。4~6月期の連結営業利益が280億円と前年同期に比べ31.7%も減少した。
<富士通>
円高により、4~6月期の営業損益が171億円の赤字に転落した。
<東芝>
円高により4~6月期の売上高が810億円、営業利益は70億円減少した。「この水準の円高が続くと、事業ごとに日本でやっていけるのかを検討せざるを得ない」(同社の久保専務)
<マツダ>
4~6月期に230億円の営業赤字を計上。「円高の影響が大きい米国市場では、マツダが主力とする中・小型車で韓国や欧州の自動車メーカーによる攻勢がすさまじい」(同社の尾崎副社長)
<コマツ>
コマツは販売した建機に取り付けた情報端末で、建機の稼働率を常時、監視している。その情報によると、(中国市場では)5月に稼働率が前年同月より5%低下し、6月はさらに落ち込み14%の低下になった。稼働率の低下は、建機の需要が減少していることに、ほぼ等しい。コマツは4~6月期の中国の建機売上高が前年同期比23%減の754億円にとどまった。「成長のエンジン」と目された中国市場の変調は、建機各社に重くのしかかる。
<スズキ>
インドでの4~6月期の販売台数が前年同期比3%増の約25万台と、同27%増だった1~3月期に比べて急減速した。
<ホンダ>
2012年3月期の連結営業利益見通しを2,700億円と、6月の公表と比べて700億円引き下げた。
(以上で記事の抜粋、終わり)
世界景気の後退が日本の翻訳業界にどのような影響を与えるかなど、いまさら言うまでもありません。リーマンショックの傷が癒え、なんとか回復傾向を見せ始めた日本経済を覆う暗い影はなんとも不気味です。
近頃の極端なドル安やニューヨーク株式市場の急落が、「実は~だった」という隠れた経済スキャンダルの前兆ではないことを、ただただ祈るばかりです。