ヤフーとイーベイ、共同サイト開設・提携を発表

2007.12.4 NIKKEI NET

ネットオークション世界最大手の米イーベイと日本の最大手であるヤフーは4日午前、業務提携すると正式に発表した。同日にネットオークションサービスを相互乗り入れするための共同サイトを開設。双方の会員が相手国の出展品目に応札できるようにする。

・・・・(記事の転載ここまで)

イーベイは1999年に一回日本へ進出したのですが、ヤフーとの競合に敗退し、2002年に日本市場から撤退しています。やはり”日本語”が最大の非関税障壁だったと私は推察しています。

今回の提携により、日本人は、日本語で入札に参加し、 日本語で出展できるようになり、同様に米国人は英語で入札し、英語で出展できるようになるそうです。当然そこに”翻訳”というプロセスが発生するわけですが、マスコミ情報では、その翻訳をどのようにするのかは、まったく触れていません。機械翻訳を使うのでしょうか?翻訳ミスによるトラブルの発生をどのように認識しているのでしょうか?

この手の話が出てくると、たいていの場合マスコミは、お金の決済方法や物流のやり方が”画期的”であると注目するのですが、常に翻訳の問題は「なんとかなるだろう」であまり深く考えていないものです。

イーベイの2006年の全世界の落札額は520億ドル(約5兆7000億円)で、約半分が北米サイト上です。一方のヤフーの2006年の落札額は7,127億円です。

両社とも落札額は年率10―15%程度成長し、落札額の2007年の合計は日米で4兆円前後に上る見込みだそうです。

いずれにしても、提携により、国境を超えた巨大な消費者間の売買市場が成立するので、今までの企業対企業の間で発生する翻訳需要に加えて、一般消費者をターゲットとした新しい翻訳市場が誕生することになります。

MT(機械翻訳)+TM(翻訳メモリー)に、人間の手を加えた、牛丼並みの「安い、早い、うまい」翻訳需要が急速に強まることは、まず間違いないでしょうが、はたしてその行方はどうなることでしょうか?