2007.11.6 NIKKEI NET
インターネット検索最大手の米グーグルは携帯電話市場に本格参入する。米インテルやモトローラ、韓国サムスン電子、NTTドコモ、KDDIなど世界のハイテク・通信企業33社と提携し、基本ソフト(OS)など携帯電話に必要なソフトをすべて無償提供する。これらのソフトが普及すれば、パソコンに代わって将来、IT(情報技術)機器の中心になるとみられる携帯向けネットサービスの拡大にはずみがつきそうだ。
・・・・(記事の転載ここまで)
相変わらず、ネット上のニュースは、紙媒体のニュースに比べて、その情報量が圧倒的に足りません。
今回の「携帯基本ソフト、グーグルが無償提供」に関する記事でも、紙媒体(日経新聞)の情報は、ネット上の情報(NIKKEI NET)の20倍以上はあるでしょう。
それもそのはず、読者は紙媒体の新聞にはお金を払っていますが、ネット上のニュースは全て”タダ”で読んでいるわけですから。情報を提供する側としては、お金を払ってくれる読者に手厚くするのは、当然といえば当然です。
「もう紙の新聞は読まない。ネット上の情報だけで十分だから」と言って、新聞の購読を止めた人たちも沢山いるようですが、現時点においては、情報を深く知るためには、まだまだネット情報だけでは足りない、ということを知っておく必要があります。ただそれも逆転するのは時間の問題ですが。
しかしなぜ、新聞社各社は、”タダ”で情報をネット上に提供するのでしょうか?
答えは単純明快で、広告料収入が得られるからです。したがって、サイトを閲覧する読者の数が増えれば増えるほど、広告媒体としての価値も高まります。
ただ皮肉なことに、新聞社が、ネット上の読者を増やそうと紙面を充実させるたびに、紙媒体の売上が落ちていきます。その恐怖から、おっかなびっくりで情報をアップロードしている、という姿が目に浮かびます。
新聞業界は現在、発行部数減、広告収入減など深刻な状況に陥り、朝日、読売、日経が販売店統合へ向けて動いています。ネットニュースに関しても、3社が共同でポータルサイトを立ち上げる計画が報道されています。
さて、Googleです。
ご存知の通りGoogleは、検索やメールなどのサービスを無償提供し、ネット広告で高収益を上げてきました。このビジネスモデルで、IT分野の時価総額でマイクロソフトに次ぐ世界第2位の企業に、創業からわずか9年にして昇りつめました。
まさに「21世紀はGoogleの時代」と言われる所以です。そのGoogleが、次の収益源と位置づけているのが、携帯電話のネットサービスなのです。
ここからは、日経新聞の紙媒体の情報です。
「一般に携帯電話は通信会社が決めた仕様に従って、メーカーが端末を納入してきた。グーグルの無償ソフト群を採用すれば、端末の開発・製造コストの引き下げ余地が生まれる一方、ハード面での差異化が難しくなる。競争力を保つには、応用ソフトやデザインなどを強化する必要があり、ノキアが地図情報会社の買収を決めるなど、ハード依存を改める動きも出ている。事業規模が小さい日本の端末メーカーは今後、生き残りに向け厳しい競争を強いられる」
日本のハードメーカーの戦略が難しくなる一方、有力ソフトや有力コンテンツを所有する会社が相対的に有利になり、かつ、企業の合併・買収や提携が、国際的なレベルで一段と進んでいくことが予想されます。
まさに、「翻訳」の需要が一層強まるわけです。