”失われた20年”は真っ赤なウソだ! 日本社会は米国よりも「これだけ豊か」

COURRiER Japon 2012年3月号の「世界が見たNIPPON」の中に興味深い記事があったので、抜粋して下記にご紹介いたします。

オリジナルは、“The New York Times” の記事です。

2012年03.01 クーリエ 失われた20年

<以下、記事の抜粋>

・日本は金融危機に直面しながらも国民の生活を豊かにすることに成功した。しかるべき時期が来れば「失われた20年」は実り多い時期だったとみなされるだろう。

・日本人の平均寿命は1989年から2009年にかけて78.8歳から83歳へと4.2歳も伸びている。日本人は米国人より4.8歳も長生きするのだ。しかも日本人の食事はこれまでになく欧米化が進んでおり、この伸びは日本人の食生活の“おかげ”ではない。最大の要因は充実した医療制度だ。

・インターネット・インフラも目覚ましく進歩している。世界最速のインターネット接続環境にある50都市のうち、日本の都市は38もあるが、米国の都市は3つだけだ。

・1989年末と比較して、円は対ドルで87%、対ポンドで94%値上がりしている。安定通貨としての地位を守り続けているスイスフランに対しても値上がりしている。

・日本の失業率4.2%は、米国の約半分の水準である。

・「失われた20年」に東京に建てられた高さ150m以上のビルは81棟ある。同時期にニューヨークでは64棟、シカゴでは48棟、ロサンゼルスでは7棟しか建設されていない。

・日本の経常黒字は2010年に1960億ドル(約15兆円)に達し、1989年から3倍以上増えている。対照的に、米国の経常赤字は1989年の990億ドルから4710億ドルに膨らんでいる。

・1980年代から米国の統計学者はGDPに対してインフレ率を調整する「ヘドニック法」を積極的に採用するようになった。これは多くの専門家に言わせると、国の見かけ上の成長率を意図的にかさ上げする手法だ。直近の数十年における米国の成長率は年率で2ポイントも水増しされてきた。

・携帯電話を見ても、日本の消費者は驚くほど早いサイクルで最新機器に買い替えている。

・ミシュランガイドによると、東京の3つ星レストランは16軒あるが、2位のパリは10軒だ。同様に、総じて日本のレストランのほうがフランスより評価が高い。

・米国人の日本へのイメージが間違っていることを示すものの一つに、日本が不況をものともせずに築き上げた、洗練された産業基盤がある。そしてそれがあまり知られていないことは、日本のメーカーが製造業向けの製品供給者へと脱皮した証しでもある。一般的に、製造業向けの製品は最先端の部品や素材、精密機器であることが多い。消費者の目にあまり触れないものだが、これらがなければ今の世界は成り立たない。

・日本の成功は素晴らしいものだ。多くの東アジア諸国が製造業に注力した結果、世界はここ20年間で急速な産業革命を遂げた。それでもなお、日本の貿易黒字は増え続けている。

・日本は反面教師ではなく、見習うべき国として引き合いに出されるべきである。日本が絶えずインフラを向上させていることは、一つのヒントになるはずだ。

<以上で記事終わり>

米国がGDP成長率を2%水増ししていたとは、にわかには信じがたいのですが、それを除けば「なるほど」とうなずかされる話ばかりです。

最近になって「米国経済の日本化(Japanization)」という言葉が、マスコミ各社でさかんに使われるようになりました。

“Japanization”とは、「日本のように長期間にわたって景気低迷から抜け出せない状態」のことを指します。非常に不名誉な比喩です。

世界での存在感が日増しに薄れゆく日本ですが、日本はもっと自信を持つべきなのかもしれません。

この”The New York Times” の記事が「正解」であることを願ってやみません。