「韓国人の英語教育支出は莫大だが効果は低い」

2007.5.4 朝鮮日報

(前略)

韓国人が英語教育に使う費用は世界的に見ても最高の水準だ。サムスン経済研究所は、その額を年間15兆ウォン(約1兆9300億円)と推計している。日本の5兆ウォン(約6435億円)の3倍だ。しかもこれは早期留学や語学留学にかかる費用を除く金額。留学のため海外に渡る小中高生は、01年の15万人から06年に19万人へと5年間で4万人増えた。

(中略)

だが「英語教育に対する関心や支出は莫大だが、その効果は低い」と専門家は指摘する。東アジアの経営環境情報を提供する香港の「政治経済リスク・コンサルティング」が03年に調査したところ、韓国はアジア12カ国の中で英語によるコミュニケーションが最も困難な国だった。

04~05年における韓国のTOEFLの成績は全世界147カ国中93位だった。昨年9月からは試験方式がIBT(Internet-based test)に変わり、文法がなくなりスピーキングが導入されたため、韓国は111位までランクを下げた。スピーキングだけを見ると134位と下から数えたほうが早い。世界的な流れが会話を強調する方向にあるのにもかかわらず、教室を一歩出ればこれまでと同じく英語を使う環境が整っていないためだ。

(後略)

・・・・(記事の転載ここまで)

1998年の国籍別TOEIC受験者数の割合は、日本と韓国を合わせると実に全体の92%以上を占めていました。その後、国籍別受験者数の公表をやめたようなので詳細はわかりませんが、日本でTOEICを運営する(財)国際ビジネスコミュニケーション協会のサイトを調べてみると、2006年度の日本でのTOEIC総受験者数は152万6,000人と書いてありました。

さらに、TOEICを主催する米国ETSのサイトを調べてみると、「全世界で年間450万人以上の人がTOEICを受験している」と書いてあったので、現在では、TOEIC受験者の3分の1が日本人だとわかります。

韓国でのTOEIC受験者数はわかりませんが、TOEFL(トーフル)では、全世界における韓国人の受験者数割合が、19%とのことなので、TOEICにおいても同じ程度と考えると、日韓両国をあわせれば、TOEIC受験者数の過半数を超えることはほぼ間違いないでしょう。

韓国の人口は、4.884万人(2006年6月現在)、一方、日本の人口は、12,775万人(2007年4月現在)ですから、国民一人当たり英語教育へ費やす金額は、韓国が年間4万円、日本が年間5,000円となります。なんと韓国は日本の8倍の金額を英語教育へ費やしていることになります。

日本語と同じ文法構造を持つ言語は、世界に韓国語(朝鮮語)だけと聞いています。やはり同じ極東(Far East)に住む民族にとって、極西(Far West)に位置する英国が使う言語は、世界で一番かけ離れた言語同士なのですね。

この調査を知るまでは、英語教育へかける「お金と時間の多さ」と、「費用対効果の悪さ」は、日本がダントツで世界最悪だと考えていました。

しかし、韓国は日本のはるか上を行っていたようです。やはり感覚ではなく、正確なデータを元に考えなければいけないと改めて考えさせられました。