オンライン翻訳サービス、質や料金に大きなバラつき

2007.2.9 usfl.com

ウォール・ストリート・ジャーナルは、オンラインで提供されている翻訳サービスのレベルを比較するため、Shindigやcrashcourseなどのスラングを含む120文字の英文ビジネス招待状を作成し、中国語、日本語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、アラビア語への翻訳を5つのサービスで試してみた。

・・・・(記事の転載ここまで)

翻訳会社の社長としては大いに興味のある記事ですが、結論的には予想通り、翻訳ソフトによる翻訳は、「訳のレベルが低すぎてビジネスで使用するには不適切」でした。

人間が行った翻訳はある程度品質は良かったとのことですが、「120ワードの英文ビジネス招待状を、中国語、日本語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、アラビア語へ翻訳」して、550ドル(約66,000円)ということですから、これならば50年前の人間による翻訳サービスと何にも変わっていないわけです。

現在のところは人間が翻訳したデータから、翻訳メモリーを抽出し、機械翻訳へ組み込んでいく「翻訳メモリ+機械翻訳システム」がより現実的な改善方法のひとつであると言えます。

これ以外にも、翻訳前の原文をあらかじめ多言語へ翻訳しやすいように書く手法や、文書のコンテンツをカテゴリー別に区分けすることにより、翻訳しやすくする手法も考えられています。

日本でも四半世紀ほど前から、「機械翻訳システム、97%の精度達成、完成まであと2年」の新聞の見出しが何度出たことでしょうか。いずれにせよ、われわれ翻訳会社にとっては、常に目が離せない話題ではあります。