新宿の百貨店など、外国人向けガイドブック 割引特典も検討

2014年8月20日日経

百貨店などで構成される新宿観光振興協会(東京・新宿)は外国人観光客の誘致活動を始めた。第1弾として飲食店や観光スポットの情報を載せた多言語対応のガイドブック=写真=を創刊。今後は外国人が店舗で割引など特典を受けられる仕組みも検討する。2020年東京五輪に向け、地域一体となって新宿の魅力をアピールする。

(中略)

英語や韓国語に加え、中国語(繁体字、簡体字)、タイ語の5種類を作成。年2回発行し、今後は新宿地区の観光地や外国語の通じるスポットなどを紹介していく予定だ。

(後略)

以上で2014年8月20日 日本経済新聞 Web刊の記事終り

同日の日経新聞の紙媒体には、「百貨店売上高4か月連続減」「百貨店4割 訪日客増えた」という見出しの記事が掲載されています。

33年前、私が米国サンフランシスコのメイシーズ (Macy’s) デパートに行った時、若く美しい女性店員さんたちがきれいな制服に身を包んで接客をしてくれました。それから20年後、つまり今から十数年前に米国デンバーのメイシーズデパートに行った時には、あまりにも様変わりしたお店の様子に驚いてしまいました。

店員の姿はほとんど見られず、ワゴンの中に化粧品やら日用雑貨品やらが無造作に置かれ、日本のスーパーマーケットの2階のようだな」と感じたからです。

戦後の高度経済成長時の日本は、常に生産者・販売者を重視し、個人や消費者をないがしろにしてきました。

その結果、当時の日本では、生産者から複数の卸売業者と小規模の小売業者を経て、消費者の手元へ商品が届いていました。

建設業界にいたっては、大手ゼネコンが下請けに仕事を丸投げし、孫請け、ひ孫請け、玄孫受けという具合でワークシェアリングをし、国民は異常に高いコストを支払わざるをえなかったのです。

このように非効率の上に非効率を重ねた社会構造の中で、異常に高い物価を許容せざるを得なかった日本国民でしたが、同時にワークシェアリングは、失業者を減らし、犯罪率の低い社会も生み出しました。

そして、アメリカ発の流通革命とグローバリゼーションは、劇的に日本の物価を下げ、サービスの行き届いた便利な世の中をもたらした反面、競争激化による社会不安ももたらしました。

「それでは、そのどちらが良いのか?」

もうそのような議論は意味をなしません。グローバリゼーションのすすんだ現在、日本だけが世界と競争をせずに孤立主義で生きていけるわけがないからです。どちらが良いではなく、超効率化の進んだ国際社会の中で、今後の日本はどのように勝ち残っていくかを考えていかざるを得ないでしょう。

次回は、この話の続きで、この夏日本の渋谷や新宿に欧米から若者たちが大挙して押し寄せて来ているという話をしたいと思います。

(続く)