日本企業の外国人雇用わずか1%

2007.12.3 日本経済新聞

海外事業を広げ、輸出市場で利益を稼ぐ日本企業。だが、国内ではグローバルな人材登用が進んでいないのが実情だ。労働政策研究・研修機構が2007年1月に実施したアンケート調査によると過去3年間で外国人留学生を正社員などで採用した企業の比率は9.6%にすぎない。

日本の大学などを修了した高学歴の留学生を活用する手もあるはずだが、企業は「自己主張が強い」「定着率が低い」などと慎重な姿勢だ。

(中略)

厚生労働省が2005年にまとめた推計では、日本国内の就労外国人は日系人や不法残留者を含めても63万人程度。6,600万人いる労働力人口の1%程度だ。

同じ島国である英国の人口は日本の半分だが、OECD統計でみても外国人労働者は7倍で、差は大きい。

(後略)

OECD資料
<先進国の外国人労働力(単位:万人)>
1955年  2000年  2004年
日 本      9     15      19
米 国   1,349    1,805    2,199
英 国     86     111     145
ドイツ     257    355     370
フランス    157    158     154

・・・・(記事の転載ここまで)

上記OECDの資料を基に、各国の人口+外国人労働者数に占める外国人労働者の割合を算出してみました。

日 本 (人口+外国人労働者数) 12,790万人 (外国人労働者割合) 0.15%
米 国 (人口+外国人労働者数) 32,199万人 (外国人労働者割合) 6.82%
英 国 (人口+外国人労働者数)  6,166万人 (外国人労働者割合) 2.35%
ドイツ  (人口+外国人労働者数)  8,613万人 (外国人労働者割合) 4.29%
フランス(人口+外国人労働者数)  6,464万人 (外国人労働者割合) 2.38%

英国との開きは16倍、なんと米国との開きは45倍もあります。つまり先進国のなかで日本は突出した”労働閉鎖社会”なのです。

経済のグローバル化が叫ばれている中、日本だけがこのような”ひきこもり症候群”で本当によいのでしょうか?

日本で働く外国人の人たちから、日本人や日本社会に対する不満をよく聞くことがあります。私はそのほとんどは”日本人の外国人に対する無知や人材交流の経験のなさ”に起因すると考えています。

「何々人の考え方は日本人とはまったく違う」、「何々人は本当にドライだ」、「何々人に日本人の心を理解できるわけがない」等々

私の感触では、多くの日本人は「日本文化は特殊だから、外国人に日本人の心が理解できるわけがない」と決めつけ、まるで外国人は宇宙から来たエイリアンであるかのように、自分達とは「違う生物」と考えているフシがあります。

年間数百万人の日本人が海外を旅行し、マスコミやインターネットを通じて、自由に外国の情報が得られる21世紀の世の中にもかかわらず、いまだ日本人の感覚は「日本人特殊論」からさほど変化していないように感じます。

私は「人間は皆同じ」だと考えています。なぜなら誰も皆同じように笑ったり、怒ったり、悲しんだり、恥ずかしがったり、ウソついたり、嫉妬したり、見栄張ったり、同情したり、感動したり、夢を持ったり、愛したり、裏切ったりするからです。人間は皆同じです。日本人だけが特殊であるわけがありません。ただ少し、今まで育ってきた環境が違い、習慣が違うだけです。「人間の根本は皆同じ」だと私は信じています。

日本社会も早く、外国人に対する偏見を捨て、差別のない社会構造を組み立てていかなければ、新しい国際社会の輪の中からはずれてしまい、本当に「ひきこもり」になりかねないと心配しています。