もう1ヶ月半も前の話ですが、山梨県北杜市にあるサントリー白州蒸溜所を訪ねました。北に八ヶ岳、西に甲斐駒ヶ岳を望む深い緑に囲まれたこの蒸溜所では、シングルモルト「白州」が作られています。
有料の見学ツアー(1,000円)があり、ガイドのお姉さんの説明を受けながら約80分間、蒸溜所の中を見て回りました。豊かな自然に囲まれた蒸溜所という点や設備や製造工程という点では、この白州もスコットランドの蒸溜所と同じなのですが、規模そのものがかなり大きいという点が印象的でした。
ウイスキーの原酒には、モルト(麦芽)とグレーン(トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物と麦芽)の2種類があります。モルト原酒は、それぞれの個性が強く、グレーン原酒は、穏やかで風味が軽いのが特徴です。
ウイスキーの原酒は、当然のごとく、どの蒸溜所で作られたかによっても、熟成する樽によっても、熟成する年数によっても、味や風味や濃さが大きく異なります。
そこで熟練のブレンダーが、同一の蒸溜所内のモルト原酒の微妙な味や香りを識別し、常に品質を一定に保っているウイスキーのことをシングルモルトウイスキーと言います。サントリーで言えば、「白州」や「山崎」、ニッカで言えば「余市」がそれにあたります。
また、他の蒸溜所のモルトとモルトをブレンドして作るブレンデッドモルトウイスキーもあります。ニッカの「竹鶴」がそれにあたります。
さらに同一蒸溜所の同一のカスク(樽)でのみ作られたシングルモルトウイスキーのことをシングルカスクウイスキーと呼びます。2001年に英国のコンテストで総合1位をとった、ニッカの「シングルカスク余市10年」がこれにあたります。
これに対して、モルト原酒とグレーン原酒をブレンドしてつくられたウイスキーのことをブレンデッドウイスキーと呼びます。サントリーで言えば「響」がこれにあたります・・・・・が、世の中のほとんどのウイスキーは、このブレンデッドウイスキーなので、単にウイスキーと言えばこれを指していると言ってよいでしょう。
さて、世界の5大ウイスキーと言えば、下記があります。
・ スコッチ・ウイスキー (スコットランド、世界最大)
・ アイリッシュ・ウイスキー (アイルランド、ウイスキー発祥の地)
・ アメリカン・ウイスキー (主な原料をトウモロコシとするバーボンが有名)
・ カナディアン・ウイスキー(主流は、2種類のグレーンウイスキーのブレンド)
・ ジャパニーズ・ウイスキー
「え!日本のウイスキーってそんなにスゴイの?」とお思いでしょうが、かなりレベルは高いと言えます。
イギリスの専門誌が行うウイスキーコンテストで下記の日本のウイスキーが、2001年以降、何度も最高位をとり、世界を驚かせています。
「ニッカシングルカスク余市」、「サントリー響」、「ニッカ竹鶴」、「ニッカシングルモルト余市」、「サントリー山崎」、「マルス モルテージ3プラス25 28年」
世界から選ばれたウイスキーの専門家が、銘柄を隠したブラインドコンテストで日本の銘柄を指定したわけですから、ジャパニーズ・ウイスキーは、ジャパニーズ・サケ(日本酒)とならんで、世界に胸を張って自慢できる酒類と言えます。