先月(2015年11月)、1週間ほどスコットランドへ行き、いくつかの蒸溜所でその製造工程を見学し、試飲もさせてもらいました。
まず最初にエジンバラにあるThe Scotch Whisky Experience を訪ねました。ここは蒸溜所ではなく、観光客相手のいわば博物館的アトラクションのような場所ですが、スコッチウイスキーの概要を理解するうえで大いに役立ちました。
現在スコットランドに蒸溜所は110数箇所あり、スペイサイド地方に50箇所、ハイランド地方に40箇所、アイラ島に8箇所、ローランド地方に8箇所、キャンベルタウン地方に2箇所、その他の地方に6箇所という内訳になっているそうです。
つまりほとんどのスコッチウイスキーは、スペイサイドとハイランドの2つの地方で造られていることになります。村上春樹の本でも有名になったあのアイラ島のアイラモルトも含め、中小零細の多い蒸溜所は大手資本の入った蒸溜所との競争でなかなか苦戦を強いられているようです。実際、日本でもシングルモルトとして有名な強烈な個性を持つBOWMORE(ボウモア)やLAPHROAIG(ラフロイグ)も現在サントリーの資本が入っています。
今回私達は、ロンドン経由でスコットランドへ入り、エジンバラ、グラスゴーに宿泊しながら、ハイランド地方の2つの蒸溜所を訪ねました。
アイラ島へ行かなかった理由は、スコットランドへ行ったのが11月初旬だったため、完全にアイラ島の旅行のオフシーズンだったからです。つまり、蒸溜所の人たちは来期のウィスキーの仕込みに忙しくて、観光客など相手にしていられない時期だったのです。
また、現在スコッチウイスキーの主流はどんどんスペイサイドやハイランドへ移行しつつある、との話をある事情通から聞いていたので、まずはその主流とやらを訪ねてみようということになりました。
ただハイランドはスコットランドの面積の大部分を占める一番広い地方なので、ハイランドの各蒸溜所のシングルモルトウイスキーにおいてもそれぞれが微妙な個性を持っているそうです。
ということで、ハイランドにある Dewar’s Aberfeldy 蒸溜所と Glengoyne 蒸溜所を訪ねた感想を次回以降簡単に記していきたいと思います。
(続く)