今年(2018年)2月に大学時代の友人たちとニッカウヰスキー余市蒸溜所を訪ねました。彼らとシングルモルトの蒸溜所を訪ねるのは、スコットランドのDewar’s Aberfeldy 蒸溜所とGlengoyne 蒸溜所、山梨県北杜市にあるサントリー白州蒸溜所に続いて4度目となります。
私にとって北海道は29年ぶりだったので、余市のあと皆で小樽に泊り、翌日は「札幌雪祭り」を見学して帰ってきました。
さて、余市蒸溜所です。
ご存じドラマ「マッサン」のモデルとなった、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝とその妻リタが丹精込めて造り上げた至極の蒸溜所です。雪の余市蒸溜所は静寂な中にも豊かな自然の恵みを感じさせる穏やかな場所にありました。
1968(昭和43)年、日経新聞に連載された竹鶴政孝の「私の履歴書」によると「余市は積丹半島の入り口にある町で、余市川が日本海の石狩湾に流れる河口にあった。ニシンの漁場としても有名であったが、リンゴやぶどうの産地でもあり、北海道でも珍しく恵まれた土地であった。(中略)付近からピートがとれ、ウイスキーづくりにはうってつけの条件をそなえた場所であった。」とあります。
竹鶴政孝はスコットランドのハイランドにできるだけ近い自然環境の場所を探し、ここ余市にたどり着いたようです。一年を通じて寒冷かつ湿潤な気候の余市は樽熟成に欠かせない好条件を備えているのでしょう。
見学中に職人さんがポットスチルに火をくべるシーンを見ることができました。これはかなりラッキーなことです。
ウイスキーが出来上がるまでの工程の説明やニッカウヰスキーの歴史、そして竹鶴政孝とリタの思い出の品々や写真などがたくさん展示されていて、とても興味深かったです。
ウイスキー博物館見学の最後に3杯の無料試飲ができます。看板商品であるシングルモルトウイスキー「余市」と「スーパーニッカ」と「アップルワイン」の3種です。どれもおいしかったのですが、やはり「余市」は別格です。いまや世界で大きな存在感を持ちつつある “Japanese Whisky” の原点がここにありました。ストレートでキュッとやる「余市」はたまりません。
当然のことながら3杯の無料試飲だけではもの足りないので、皆で有料試飲の立ち飲みバーへ行きグラスを傾け、余市を後にし小樽へと向かいました。
大学時代の友人たちとは、それぞれが仕事のスケジュールのすきまを縫って、これからもできるだけ多くの国内・国外の蒸溜所、醸造所巡りをしたいと願っています。
最後に蛇足ですが、かねてより行きたかった「札幌雪祭り」を見てきました。大通り公園の隅から隅まで1.5kmを歩き、大小とりまぜて100基以上ある雪像を見てきました。今年は雪が多かったため、より迫力のある巨大な雪像を見ることができてとてもラッキーでした。
(この項、終わり)