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中国語豆知識



中国語の方言
国土の広大な中国では様々な方言が使われています(主に北京語、蘇州語、広東語、福建語、客家語などの5大言語に分類されています)。
現在中国大陸で使われている中国語(普通話)は北京語をもとにして作られた言葉です。

日本では一般に北京語と中国語は同じものであると考えられていますが、それには少しの誤解があります。実際、北京の方言(北京語)と中国語(普通話)にはかなりの差があります。学校で普通話の教育を受けている北京の若者は、老北京(北京生まれの年長者)の使っている言葉を十分理解できないのが現状です。
しかし、日本では「北京語=中国の公用語」としてすっかり定着しているので、混乱を避けるために私たち(JES)もあえて両者を区別せずに、「北京語=普通話=中国の公用語」として使うことにしています。

日本語も中国語の方言?
私の大学時代、昔の中国語と現代の日本語を比較するという講座がありました。
その時の文化史の先生の言葉を今でも覚えています。唐の時代は、李白や杜甫のような詩人を多く輩出した時代ですが、李白の「白髪三千丈、縁愁似個長」、杜甫の「国破山河在、城春草木深」などの詩は日本でもよく知られています。

当時の詩人が作った詩(唐詩)をあのときの発音で読むと、なんと現代の日本語に大変よく似ているのです。つまり現在日本で使われている漢字は、漢字そのものだけでなく、発音も同時に遣隋使や遣唐使によって導入されたのでしょう。
「海の向うの日本人が使っている日本語も、実は中国語の方言の一つだ」と断言した文化史の先生には閉口しましたが、なんとなく一理あるように思います。

■簡体字と繁体字の違い
現在、中国大陸と台湾・香港で使われている文字は異なります。
基本的に大陸の新聞や雑誌などは「簡体字」を使います。
一方、台湾・香港は「繁体字」を使います。

1950年代の文字改革の時、使用頻度が高くかつ画数の多い517の漢字が選ばれ「簡体字」となりました。つまり繁体字を簡略化したものが簡体字なのです。

それから50年もの年月が経過した現在では、大陸の人達が台湾・香港の書籍を読むと多少の違和感を持ちます。また逆に台湾・香港の人たちが大陸の書籍を読む場合も同じです。しかし、多少違和感があってもなんとなく理解できるのは、漢字の不思議なところです。

■方言と文字
中国の方言には、同じ中国人でありながら何をしゃべっているのかまったくわからないというくらい違いのある場合があります。
たとえば北京語と広東語では外国語と言ってよいほどの違いがあります。
しかしそれでも両者で使われている文字は同じなのです。

つまり発音はまったく異なっていてもその書き言葉(漢字)は同じなのです。
そして前述のようにその漢字にも2通りあり、古い漢字(繁体字―主に台湾や香港)と新しい漢字(簡体字―大陸)があるというわけです。
(ジェスコーポレーション 中国語事業部長 陸華生)


< 中国語フォントサンプル >
●大陸で使われているフォント:GBコード(中国の国家規格)
1.SimSun(日本語のMS明朝に相当)

2.SimHei(日本語のMSゴシックに相当)

●台湾・香港で使われているフォント:Big5コード
1.PmingLiu

2.BIG5 Gothic

中国語の世界は上記フォントだけあれば十分です。
文字化けを防ぐために、上記フォントのご使用をお勧めします。
他のフォントをご希望の場合は別途ご相談下さい。

 


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 コーヒーブレイク     


北京近郊の3つの世界遺産を訪ねて




(天安門広場にて)

1999年9月に北京へ出張した際、故宮、万里の長城、明十三陵を訪ねてみました。

故宮とは、北京の中央、天安門の北側に広がる一角に位置する紫禁城のことで、明・清時代の宮城だったので、”もとの宮殿”の意味から故宮と呼ばれています。紫禁城の”紫”は”天帝の座・紫微星”を表し、ここが小宇宙の中心であることを示しているそうです。1987年にユネスコによって『世界の文化遺産』に登録されました。

万里の長城を築いたのは秦の始皇帝とされていますが、それ以前の戦国時代から各国の王は自分の領土をそれぞれ長城で囲んで異民族の侵入に備えていたそうです。いま目にすることのできる長城は主に明代に築造されたものだそうで、この防御施設は城壁のほかに関所、のろし台、物見やぐらなどがあります。1987年にユネスコによって『世界の文化遺産』に登録されました。

明十三陵は、明の皇帝13人が眠る一大陵区のことです。13の陵墓のうち、最大の規模を誇るのが永楽帝の長陵で、これを中心にして他の皇帝の陵墓が左右にならんでいます。このうち、現在陵墓内の地下宮殿が公開されているのは第14代万暦帝の定陵のみとなります。2000年にユネスコによって『世界の文化遺産』に登録されました。

広大な中国の大地に、今も息づく中国4000年の歴史を肌で感じることができ、感動の連続でした。常日頃、欧米にばかり目を向けているわれわれ日本人ですが、日本人はアジアの一員である、ということを再認識した旅行でもありました。生涯忘れられない思い出として大切にしたいと思っています。 (丸山均)