ハングルについて
現在の朝鮮半島には、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の2つの国がありますが、もともとは一つの国でした。したがって両国の言葉は基本的に同じ言葉であり、文字は、ハングルを使います。韓国の人は、韓国語という呼び方を好み、北朝鮮の人は朝鮮語という呼び方を好むため、日本では中立の立場から「ハングル語」と呼ぶ人も出てくるようになりました。しかし、これは日本語のことを「ひらがな語」とか「カタカナ語」と呼ぶようなもので正確ではありません。
このハングルは1443年、朝鮮王朝時代、世宗(セジョン)大王のもと学者たちが集まって作られました。世宗大王は、その博識ぶりと豊かな才能により、多くの学者達を驚かせたと言われています。世宗大王は、当時の知識階級が使っていた中国文字は、外国から導入された文字であり、朝鮮語を表現するには十分でないと考えました。こうした調査研究の結果、1446年に『訓民正音(フンミンジョンウム)』という書が公布されるに至ったわけです。
このように、作った人物や作られた時期やその目的が明確な文字は、世界3000に及ぶ言語の中でも非常に珍しいと言われています。ユネスコは1997年、『訓民正音』を世界記録遺産に指定し、世宗大王の功績を称えるとともに、識字率を上げるために貢献した人々に与える賞の名前を「世宗大王識字賞(King Sejong Literacy Prize)」とし、毎年10月9日に授与式を行っています。
ハングルは、言葉の発音の仕組みをくわしく調べて作られているため、非常に科学的、合理的な文字といわれています。表音文字(ローマ字やカナのように音を表す文字)であり、母音を表す10個の文字の部品と子音を表す14個の文字の部品をいくつか組み合わせて一つの文字を創っていきます。漢字のへんとつくりの組み合わせのように、音のまとまりごとに左右や上下に並べて一つの文字が構成されるのです。
したがって、母音の部品と子音の部品の組み合わせの数だけ文字が存在することになり、コンピュータ上では11,172文字が登録されていて、文字コード上の字数の多さでは漢字に次ぐ多さとなっています。
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< ハングル文字サンプル >
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