CATツール概要 |
◆CATツールとは? |
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「CATツール」の“CAT”は“Computer Assisted Translation”の略 ( “Computer Associated
Translation” という説もあり)で、翻訳を支援する、コンピュータ上で動作するソフトウェア全般を指しています。
また、通常「CATツール」と言えば「翻訳メモリ」を利用したデータベースの一種とも言えるソフトウェアを指し、翻訳ソフトを使用するいわゆる「機械翻訳」とは区別されています。
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◆翻訳メモリとは? |
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マニュアルや取扱説明書といった文書には、同じ文章や似通った文章が繰り返し出てきます。また定期的に行われる改訂版ではその内容の大部分は旧版の流用や一部の修正にとどまっている場合が少なくありません。
CATツールは翻訳者が生成した訳文を原文と一対にしてデータベースに格納します。その格納されたデータベースのことを「翻訳メモリ」と言います。
そしてその「翻訳メモリ」を改訂版や類似製品のマニュアルに再利用することで中長期的な翻訳作業の手間とコストを大幅に削減します。つまり大量かつ改訂の頻度の高い文書を翻訳する際には必須のツールといえます。
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◆CATツールが品質面に与える影響 |
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CATツールを使うことによる品質面での最大のメリットは、用語や表現の不統一を抑えることができるという点です。ただし、初版の翻訳品質がその後の改訂版の翻訳品質に大きく影響するため、最初に良いものを作っておくことがとても重要になってきます。
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CATツールを利用してのコストダウン
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◆同じ文章が繰返し出てくる場合 |
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マニュアル等の技術文書では同じ表現が繰り返し出てくることがよくあります。
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【例1】下記の文章が同じマニュアル内に200回出てくるとします。
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翻訳単価が1文字@25円だとすると、
ご請求金額は、
13(文字)×@25円×200回=65,000円 となります。 |
しかし、CATツールを使えば同じ表現の繰返しは “Repetitions” となり、新規翻訳単価の20%となるため、ご請求金額は下記のようになります。
13(文字)×@25円× 1回= 325円
13(文字)×@ 5円×199回= 12,935円 合計金額 13,260円
(注1)コストダウンの%についてはあくまでも参考例としてあげさせていただいたもので、実際には繰り返しの度合によってこの割引率は異なります。
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◆改訂版が出てきた場合
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【例2】 製品Xの第1版をCATツールを使って翻訳し、その翻訳メモリを第2版で利用する場合。
●CATツール を使わず、新規全訳とした場合の金額
60,000(ワード)×@25=1,500,000円
●CATツール を使って翻訳した場合
カテゴリー |
新規翻訳単価に
対する割合 |
単価 |
Word 数 |
ご請求金額 |
Repetitions |
20 % |
@5.0 |
12,000 |
60,000円 |
100% マッチ |
30 % |
@7.5 |
10,000 |
75,000円 |
99% - 95% マッチ |
30 % |
@7.5 |
8,000 |
60,000円 |
94% - 75% マッチ |
60 % |
@15 |
15,000 |
225,000円 |
75% マッチ未満 |
100 % |
@25 |
5,000 |
125,000円 |
No Match |
100 % |
@25 |
10,000 |
250,000円 |
合 計 |
60,000 |
795,000円 |
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(注2)コストダウンの%についてはあくまでも参考例としてあげさせていただいたもので、実際には旧版と新版の流用度合によってこの割引率は異なります。
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◆兄弟シリーズがある場合 |
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製品Aの兄弟シリーズ、製品Bと製品Cは、マニュアルの中身がほとんど同じ・・・というケースもよくあります。 |
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【例3】製品Aの翻訳後、その翻訳メモリを利用して製品Bと製品Cを翻訳する場合。
基本的な考え方は前回【例2】の改定版のケースと同じですが、 兄弟シリーズの製品の数だけコストダウンの額も大きくなります。
【例2】の金額をそのまま適用したとするとコストダウン額は下記のようになります。
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●CATツールを使わず、
製品Bと製品Cを新規全訳した場合
1,500,000円×2冊=3,000,000円
●CATツールを使って、
製品Bと製品Cを翻訳した場合
795,000円+795,000円=1,590,000円 |
(注3)コストダウンの%についてはあくまでも参考例としてあげさせていただいたもので、実際には兄弟シリーズの流用度合によってこの割引率は異なります。
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CATツールのメリット
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◆差分編集の不要 |
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過去の翻訳資産を活用する場合、従来ご発注前に人間が行っていた旧版と新版との差分取りや兄弟シリーズとの差分取りをCATツールが行ってくれます。これにより翻訳のお仕事をご発注する方々にとって大幅な手間の削減が期待できます。
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◆翻訳費用の削減 |
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過去に翻訳した翻訳をデータベース化し、翻訳資産を有効活用いたしますので、流用度が高ければ、新規翻訳の分量が大幅に削減されます。また、似た文書の翻訳もファジーマッチとして翻訳を取り込んでいきますので、
翻訳費用の大幅な削減を可能とします。
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◆納期の短縮 |
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過去の翻訳資産を有効活用いたしますので、翻訳・チェック工程を削減することが可能です。
新規翻訳時と比較すると作業効率は格段に上がりますので、納期短縮も可能となります。
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◆品質の向上 |
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従来人間が行っていた用語や表現の統一作業のかなりの部分をCATツールが行ってくれます。 大量の翻訳案件の場合でも翻訳者間の訳文のバラつきや不統一を防ぐことが可能となり、
翻訳品質の向上が期待されます。
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