2005年9月に1週間かけてホーチミン市とハノイ市を訪問し、多数のIT関連企業の人たちと話をする機会を持ちました。ベトナムは国民の半数が25歳以下という若い国なので、国全体に活気と熱気を感じました。ちなみにWorld
Fact Book 2005によると、ベトナムの中間年齢は25.51歳で、中国は32.26歳、日本は42.64歳とのことです。
国民性は真面目、勤勉、正直、シャイで手先が器用で目が良く(確かにメガネをしている人は少なかったでした)、性格的に日本人に近いので扱いやすいとの声(在ベトナム邦人)もありました。
国際数学オリンピックではこの数年間ベトナムは4位(アメリカ、ロシア、中国が1~3位、日本は10位)の座を占めているそうです。基本的に頭がよく理数系の仕事に向いていると思うとのことです(JETROハノイ所長の話)。
IT技術者はほとんど英語をしゃべれると聞いていたのですが、実際にはそう多くないという感じでした。ちなみにTOEICの点数は日本より下で、世界最低とのことです(JETROホーチミン所長の話)。
人口8,300万人の国でITソフトウエア技術者の数が12,000人から20,000人と言われているため、技術者の絶対数があまりにも足りません。そのうえ日本語を理解できる技術者はほんの少数のため、あっという間にキャパシティが満杯になってしまいます。日本メーカーがベトナムに工場を持つと、習熟に時間のかかるIT技術者よりも、手っ取り早く稼げる工場労働者のほうへ日本語の話せる人材が流れて行ってしまう、という心配もあります。
ベトナム政府も今後日本語のできるIT術者の養成に力を入れていく方針ですが、民間企業(ホーチミンにある日本とベトナムの合弁企業)で日本語のわかるIT技術者を独自に育てている会社もあります。日本語のわかるIT技術者を年間50人から100人輩出していく予定で、2005年の時点で、既に第1期生がスタートしています。
日本企業にとっては、工場移転やソフトウェアのオフショア開発の案件のみならず、今後急速に発展していくベトナム経済そのものから目が離せません。 (丸山
均) |