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JES History

2006年2月から4月にかけblogで連載したJES Historyの保存版です。

第14回 黙想ノート(その1)
<2006/3/16>
父の遺品の中に「朝の黙想」と書かれた大学ノートが2冊あります。1968(昭和43)年2月から1969(昭和44)年8月までの1年半の間使われていたようです。

中を読むと朝礼の題材を下書きしていたようで、かなりの推敲のあとがうかがえます。

そのため必ずしも文章として完結していないものも沢山ありますが、そのうちのいくつかをこれから紹介させていただきます。

「1968(昭和43)年3月11日

『自分には厳しく、他人には寛大であれ』

とは今までたくさんの人々によって教えられてきたことですが、いざ実行するとなるとなかなか簡単ではありません。

(中略)

織田信長といえば気が短いことで有名ですが、ある日信長の部屋を掃除していた12歳の小姓が床の間に飾ってある信長愛用の弓に興味を示しました。

そして手に取って遊んでいるうちにふとしたはずみで弓のつるをプツリと切ってしまいました。

かわいそうに小姓はぶるぶると震えだしその場に立ち竦んでしまったところ、ちょうど信長が部屋に戻ってきました。

そこで小姓は自分の過ちを隠さずに申し立てました。

はじめ信長は怒りを抑えていましたが、しばらくして静かに言いました。

『心配しなくてもよい。弓のつるが今切れたのは幸いであった。もしも戦の時切れたなら私の一命は危なかったであろう』と。

皆さん私たちはどうでしょうか。ちょっとした人の言葉や態度ですぐに感情を害してしまうのではないでしょうか?(後略)」


<朝の黙想 ( Morning Meditation )と書かれた大学ノート2冊>