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技術翻訳プロフェッショナル講座 「翻訳の真髄」


33 予見を含めた類推 和文英訳
【問題】次の和文を英訳してください。

いまだ、本システム稼動開始後1ヶ月未満であり、その効果の程を十分に論ずることのできるときではない。しかしながら、ある程度予見を含めて類推することはできる。

【解 説】
難しい語は一つもないので、早速 draft を作ってみます。

Because almost one month has elapsed(*1) after(*2) this system started its operation(*3) we cannot fully evaluate the contribution of the system to our company business. However, we can infer(*4) how much we have been benefited by it, with some forecast(*5).

(*1)  文脈から one month has hardly elapsed とするほうが良い。
(*2) after ではなく since とするのが文法的です。
(*3) 単に started だけでも良いでしょう。
(*4) 「類推」は、もちろんこう訳してもよいかもしれませんが、直訳しているという感じがします。したがって全体の意味を取って、文章を作り変えることにします。
(*5) この句の意味は、英語国民にはすぐには伝わりません。本問のように論文調の記述の場合は、 we cannot ……のように一人称表現ではなく、 its contribution to ~ cannot be ……というように三人称表現の方が良いです。

「ある程度の予見を含めて、類推することはできる」の中の「予見」も「類推」もそれぞれ訳語はありますが、一緒にして “rough forecasts” としてはどうでしょうか。 ……, but some rough forecasts can be made のように。

【訳 文】
Because one month has hardly elapsed since this system started, its contribution to our company’s operations cannot be accurately evaluated, but some rough forecasts can be made.