39 | ソフトウェア開発と個人の能力 和文英訳 |
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【問題】次の和文を英訳してください。 ソフトウェア開発は、個人の能力に頼るところが多い。このため各人の能力差が仕事量の差、ソフトウェアの信頼性の差、性能の差という形で現れやすい。したがって何人かのチームでプロジェクトを構成した場合の開発工数の見積もり、ソフトウェアの品質および進捗状況の管理が他の製品に比べて極めて難しい。 【解 説】 ・ ~に頼るところが多い → しばしば~に依存する: …… frequently depend(s) on ~ ・ 各人の能力差: differences in individual ability ・ ~という形で現れやすい → ~として現れる傾向がある: …... tend to appear as ~ ・ 開発工数: man-hour requirements for development ・ 進捗状況: work progress 本問もやはり「語句がそろえば、原文を模倣して、淡々と英語句に変えていけばよい」との安易な翻訳態度で訳したものをまず示します。 [直 訳] Software development frequently depends on the ability of individuals(1). For this reason(2), differences in individual ability tend to appear(3) as differences in work volume, those in(4) software reliability, and those in performance. Therefore(5), when a project is made up of a team(6) of several members, it is very difficult to estimate man-hour requirements for development(7) and control software quality and work progress, compared with the case of other products. これがなぜよくないかという理由、あるいは良否判定の基準には多分に主観的なものが入るので、いちいち理屈がつけられないことは既に述べてきました。以下にこの直訳文についてごく大雑把にコメントしてみます。 (1) individuals よりも individual men and women とする方が、読みやすいでしょう。 (2) For this reason と書く必要はないでしょう。 (3) Tend to appear というよりも、能力が違えばそういうことに違いがでてくるのは必然ですので、事実として書くほうが現実的です。すなわち、show up と書く方が的を射ています。 (4) 余分な語、したがって削除します。 (5) Therefore → As a result (6) プロジェクトがチームからできているというのは、言葉の使い方の間違いです。 When a project team consists of several members と直します。 (7) 和文は「開発工数」ですが、ここでは文脈からすぐに分かりますので、for development という句は不要です。 【訳 文】 Software development frequently depends on the abilities of individual men and women. Differences in individual ability show up as differences in work volume, software reliability, and software performance. As a result, when a project team consists of several members, it becomes difficult to estimate man-hour requirements and control product quality and work progress. This is much more true of software than of other goods. |